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光る魚を飼育すると逮捕される? 173ヵ国が締約する「カルタヘナ法」とは

2024年1月、マメスナギンチャクの遺伝子が組み込まれた「光るベタ」を未承認で飼育・販売したとして二人が逮捕されました(遺伝子組み換えで光る熱帯魚 カルタヘナ法違反容疑で2人逮捕 産経ニュース)。

光るベタを販売するとなぜ逮捕されてしまうのでしょうか? これにはカルタヘナ法と呼ばれる法律が深く関わっています。

カルタヘナ法とは

「カルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律)」は生物の遺伝子組み換えについての条約であり、生物多様性条約に基づき採択された議定書の一つです。

カルタヘナ(提供:PhotoAC)

この法は2000年1月、モントリオールで開催された「生物多様性条約特別締約国会議再開会合」で採択され、2003年6月に議定書発効に必要な50カ国の締約国を得て、9月に「カルタヘナ議定書」が発効されました。

「カルタヘナ議定書」は1999年にコロンビアのカルタヘナで行われた生物多様性条約特別締約国会議で、議定書の採択を目指したことにちなみます。「カルタヘナ議定書」は現在、173ヵ国が締約。日本は2003年にこの議定書を締約し翌年の2月から施行されました。

生物多様性条約とは1995年に採択された国際条約で、「生物の多様性の保全」、「生物多様性の構成要素の持続可能な利用」、「遺伝資源の利用から生ずる利益の公正で衡平な配分」を目指し発足しました。2024年1月現在、196ヵ国の国がこの条約に締結しています。

カルタヘナ法の目的

「カルタヘナ法」は遺伝子組み換え生物の使用を規制することによって、遺伝子組み換え生物等が生物多様性に悪影響を及ぼすことを防止することを目的に定められました。

この法では遺伝子組み換え生物等を用いて行うあらゆることを「使用等」と呼び、事前に申請、大臣の承認、確認が義務付けられています。また、「使用等」は使用形態によって環境への放出を防止しない「第一種使用」と環境への放出が生じない「第二種使用」の2つに分けられ、それぞれに適切な措置が定められています。

遺伝子組換え生物等は、拡散防止措置が執られた研究所や大学で使用が認められているものの、拡散防止措置が執られていない空間での使用は認められていません

今回、問題となった「光るベタ」は大臣の承認を得ずに熱帯魚店や自宅で飼育されたものであったため、「カルタヘナ法」に違反する形となりました。熱帯魚のお客さんの1人がコンテストに出店し、不審に思った主催者の通報により発覚したそうです。

カルタヘナ法に違反した具体例

実は「カルタヘナ法」に違反し逮捕された事例は今回が初めてではありません。2023年3月に千葉県のメダカ愛好家5人が遺伝子組み換えメダカを飼育したとして逮捕されました(遺伝子組み換えた赤く光るメダカ、違法に飼育…愛好家の男5人逮捕 読売新聞オンライン)。飼育されていたのはピンクに光るメダカでイソギンチャクモドキの遺伝子を導入して作られたそうです。

遺伝子組み換え生物等が環境に及ぼす影響は不明とされていますが、それ故、取り扱いを厳しく規制する必要があります。メダカのような魚はペットとして既に流通している可能性があるとして、環境省は遺伝子組み換えの疑いのある個体を発見した場合は絶対に放流せず、近くの環境省地方環境事務所まで連絡するように呼びかけています。

(サカナト編集部)

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サカナト編集部

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