自然が支える伝統的な鰹節作り
鰹節作りに欠かせないものは、言うまでもなく原材料であるカツオです。安定した漁獲量を保つため、乱獲を避け、資源管理を徹底し、持続可能な漁業の実現を目指す必要があります。
そして同様になくてはならないものは、薪として使われるクヌギやカシなどの広葉樹。香り高い煙でじっくり燻す焙乾工程は、森の恵みなくしては成り立ちません。
しかし近年、薪に使う広葉樹の減少や林業の衰退により、この伝統的な製法を続けることは簡単ではなくなってきました。指宿鰹節組合では、薪の安定供給を目指して、鹿児島県南九州市の国有林で植樹活動を行うなど、未来を見据えた取り組みを進めています。
自然とともに育まれてきた鰹節づくりの技術と文化を、これからも社会全体で守り継いでいくことが求められています。
(サカナトライター:こやまゆう)
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