母「セーラ」と父「ライト」について
今回、出産に至った母イルカは「セーラ」。1991年4月にマリンピア松島水族館で生まれ、現在34歳。国内の水族館で飼育されているイロワケイルカの中では最高齢です。
過去、マリンピア松島水族館時代にも3頭の出産経験があるセーラ。
前回2013年に「ツバサ」を出産して以来、今回が実に12年ぶりの出産となりましたが、出産直後からスムーズに授乳を行うなど、順調な子育てだったとのことです。

そして父親は「ライト」。
2015年8月に鳥羽水族館で生まれ、現在10歳。2022年5月に、繁殖目的のため鳥羽水族館から仙台うみの杜水族館へとやってきました。

同居開始当初から仲の良さそうな様子を見せていましたが、とはいえ年齢差24歳の「歳の差カップル」。セーラの年齢も考えると、現実的には繁殖は難しいのではないだろうか、と素人考えながら内心思っていました。
そんなこともあり、今こうしてセーラが赤ちゃんイルカとともに泳いでいる姿を見ると、嬉しさもひとしお。そして、生きもののことについて我々素人が先入観や思い込みで語ってはいけないということに、改めて気付かされました。
「飼育下4世」の赤ちゃんイルカ
母「セーラ」は飼育下2世、父「ライト」は飼育下3世。
つまり今回生まれた赤ちゃんイルカは、(やや変則的ながら)飼育下4世ということになります。
そして、松島/仙台育ちの個体と鳥羽水族館育ちの個体との間に生まれた、初めての赤ちゃんでもあります。血統管理という意味でも、重要な役割を担う存在となるかもしれません。
とはいえ、生まれたばかりの赤ちゃんイルカにそこまでの役割を期待してしまうのは、人間の勝手なエゴなのかもしれません。
まずは今後の成長を、あたたかく見守りたいですね!
(サカナトライター:アル)
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