「ブリッ」と音が鳴る<ブリコ>
秋田県の郷土料理として有名な「ブリコ」はハタハタの卵。
塩や味噌に漬けて保存すると表面の粘液が硬化し、ゴムのような食感に。これを食べると「ブリッ」と音が鳴ることからブリコと呼ばれるようになりました。
ハタハタの卵(提供:PhotoAC)ブリコは実にカラフルで、「虹色」と表現されることも。胆汁色素とビタミンA2アルデヒドが混ざると緑になりますし、これにカロテノイド系色素が加わると赤っぽい色になります。成熟度合によって色は濃くなっていくので、同じ緑でも薄緑のもあれば濃い緑もあるようです。
普段なんとなく口にする「命のかたち」
海の生きものたちの命のかたちが、こんなにも多彩で個性的だったとは気づかずに味わっていたという人も多いのではないでしょうか。
イクラやタラコ、数の子といったお馴染みの食材も、その由来や色の違いに目を向けると、実は奥深い存在なのです。
(サカナトライター:こやまゆう)
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