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野生のラッコは日本でも会える! 北海道・霧多布岬で<ラッコを観察するコツ&マナー>

2025年1月、福岡県福岡市の水族館「マリンワールド海の中道」で飼育されていた、国内唯一のオスのラッコ「リロ」が亡くなりました。これにより、日本国内の水族館でラッコを飼育しているのは、現在では三重県鳥羽市の鳥羽水族館のみになりました。

多くの報道があったので、その際にニュース番組などで見かけたという人も多いと思います。

では、「野生にラッコはいるの?」と疑問を持ったことはないでしょうか。

かつて乱獲により姿を消したラッコたちですが、実は今、北海道の東部にある霧多布岬(きりたっぷみさき)周辺で、ラッコの姿が見られるようになってきました。

現地で観察するにはいくつかの“コツ”と守るべき“マナー”があります。かわいい姿を見るだけでなく、地域社会と共存するラッコたちの現状を知り、応援する旅に出かけてみませんか。

日本で野生のラッコが見られる場所は<北海道浜中町>

乱獲により日本でいちどは姿を消した野生のラッコですが、2016年頃から北海道の釧路や根室地方の沿岸で見られるようになりました。

なかでも霧多布岬は、野生のラッコが繁殖しており、遭遇できる可能性が高い場所として知られています。

霧多布岬の正式名称は「湯沸岬」(提供:PhotoAC)

かわいらしい姿を見ようと多くの観光客やカメラマンが訪れており、地元ではラッコの繁殖が喜ばしいニュースとして取り上げられています。

野生のラッコを観察するポイント

野生のラッコは霧多布岬で見られる確率が高いですが、海岸沿いから観察するためには、観察時間や時期、持ち物など準備が必要になります。

観察の時期と時間

ラッコは通年観察できます。

ベストシーズンは秋から冬にかけて。夏の観光シーズンに訪れる場合は早朝がおすすめです。

夏場は霧が発生しやすいため、比較的視界がクリアな午前中の早い時間を狙いましょう。

観察に必要なアイテム

双眼鏡(倍率8~10倍程度)が必須アイテムです。

海に浮かぶラッコは、陸上から見ると波間に漂う昆布や岩と見分けがつかないこともよくあります。双眼鏡があればお腹の上で貝を割る仕草まで見られます。

写真を撮りたい場合、スマートフォンでは撮影が困難な距離であることがほとんど。遠いラッコをカメラで撮影したい人は、望遠レンズ付きカメラを用意するとよいでしょう。

北海道の沿岸部は夏場でも海風が冷たく、気温が低い日が多いため、風を通さない服装を用意しましょう。

野生のラッコを観察するときのマナー

野生のラッコは神経質でストレスに弱い動物です。浜中町ではラッコ観察に関する自主ルールを定めています。

野生のラッコ(提供:PhotoAC)

ルールを知らずに行くと、ラッコが見られなくなってしまう可能性があるためいちど目を通しておきましょう。

観察は必ず陸上から

船やカヌー、SUPなどで海上からラッコに接近することは禁止されています。

ラッコに近づくと、そこを危険な場所と認識して去ってしまいます。必ず岬の展望台や崖の上から、静かに見守るようにしましょう。

ドローンの使用禁止

上空からのドローン撮影は、猛禽類(ワシなど)に狙われているような恐怖をラッコに与えます。

育児放棄や逃走の原因となるため、使用してはいけません。

できる限り存在を消す

大声で呼ぶ、手を振る、口笛を吹くなどの行為はNGです。

人間がいると気づかれない距離感を保ちましょう。

野生のラッコとの共存を考える

野生のラッコは北海道の沿岸で生息が確認されており、保護や見守りの活動も行われています。

しかし、北海道の海に戻ってきた野生のラッコたちは、漁業との共存という新たな課題にも直面しています。

霧多布岬の野生のラッコ(提供:PhotoAC)

私たちにできることは「かわいい」と眺めるだけではありません。マナーを守って現地を訪れ、地元の宿に泊まり、地元の美味しい食事を楽しむこと。私たちが現地で楽しむことは、ラッコがいるおかげで地域が潤うという、未来への大切な実績になります。

こうした観光の力は、漁業被害に悩む地域を支え、ラッコを守るべき地域の宝へと変えるきっかけになるかもしれません。

正しい知識とマナーを守って北海道へラッコを見に行きませんか?

(サカナトライター:河野ナミ)

参考文献

北海道ラボ-霧多布岬の絶景とラッコ観察ガイド

浜中町-浜中町ラッコ鑑賞ルールについて

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河野ナミ

釣り好きの父に育てられ、幼い頃から多くのサカナを味わってきました。 初めての言葉が「タイタイ」だったほど、サカナが大好きです。 水族館でサカナたちを眺めるのも癒しの時間です。 サカナの魅力をたくさんの方にお伝えしていけるような記事を書いていこうと思います!

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