静岡県静岡市にある水族館「スマートアクアリウム静岡」は12月12日、深海に生息するカワハギ科魚類<ゴイシウマヅラハギ>の展示を開始しました。
展示されるのは、他の展示生物の採集時に偶然釣獲された個体。ゴイシウマヅラハギは水深140~490メートルに生息する稀種で、生体での展示は非常に珍しいと言えるでしょう。
稀少な魚<ゴイシウマヅラハギ>を生きた姿で展示
水族館は普段みることのできない、稀少な生物と出会えることも大きな魅力の1つです。
特に生体での展示は、その生物の動きや生時の色彩をじっくり観察できることから、液浸標本や剥製とはまた違った感動を与えてくれます。
今回展示されるゴイシウマヅラハギも、そんな稀少な生物の1つです。
ゴイシウマヅラハギ
ゴイシウマヅラハギ Thamnaconus tesselatus は水深140~490メートルに生息する深海性のカワハギ科ウマヅラハギ属の魚類です。
韓国や中国、フィリピンやオーストラリアから知られており、日本においては相模湾、土佐湾、小笠原諸島などから記録があります。さらに、2021年には薩南諸島初記録となるゴイシウマヅラハギが報告されました。
ゴイシウマヅラハギ(提供:株式会社アクアメント)本種の体長は23センチほど。釣りや底曳網で漁獲されるものの、数は少ないとされています。
また、ゴイシウマヅラハギは圧力に弱いことから、生きた状態で採集されることは稀で、国内の水族館でも展示例はごくわずかだといいます。
ゴイシウマヅラハギと似た魚の見分け方
ゴイシウマヅラハギは他のウマヅラハギ属にやや似るものの、体の模様から区別することができます。
例えば体の形は同属で比較的よく見かけるウマヅラハギに似ていますが、ゴイシウマヅラハギは体に暗色斑点が無数にあることから区別することが可能です。
ゴイシウマヅラハギ(提供:株式会社アクアメント)また、斑点を多く持つことからサラサハギに酷似しますが、ゴイシウマヅラハギでは斑点が暗色であることに対し、サラサハギでは黄褐色であることなどから見分けることができます。
稀少な魚を生体で観察
ゴイシウマヅラハギは沖合の釣りで稀に釣獲される魚ですが、生きている姿を見れるのは非常に珍しいです。
この機会にぜひ、スマートアクアリウム静岡へ足を運び、ゴイシウマヅラハギの生体を観察してみてはいかがでしょうか。
生きた姿を観察することで新たな知見が得られるかもしれませんね。
詳しい情報はスマートアクアリウム静岡の公式WEBサイトで確認することができます。
※2025年12月17日時点の情報です。
(サカナト編集部)