田んぼやため池などに該当する湿地帯ビオトープ。コンテナ等を用いれば自宅で作成することもできます。
上手く作れば、様々な生き物たちがやってきて生物多様性の保全に貢献できるビオトープになります。
今回は実際に筆者が作成したコンテナビオトープの概要や生息している生き物たちをご紹介しながら、湿地帯ビオトープの魅力を深堀していきます。
ビオトープを作る準備
ビオトープを作るために最低限準備しておくべきものを紹介します。いずれもホームセンターやインターネットで揃えることが可能です。
使用しているコンテナ
筆者が実際に使っているコンテナはホームセンターなどでも安価で手に入るプラスチックのコンテナです。以前飼育していたカメ用のコンテナをそのままビオトープに改造しました。
幅60cm・奥行50cm・高さ30cmのよく見るありふれたコンテナですが、これで十分にビオトープは作れます。「プラ箱」「プラ舟」「トロ舟」などと検索すると、ビオトープに使えそうなコンテナをたくさん見つけることができます。
植木鉢でエコトーン作成
コンテナ内に植木鉢を置き、赤土玉をモリモリに入れてエコトーンを作っています。
エコトーンとは水とも陸ともつかない場所のことで、池や沼でも見られる植物や泥でヒタヒタしている場所です。このエコトーンを利用する生き物も多く、彼らを呼び寄せる為に植木鉢でエコトーンを作っています。
敷いている土は赤玉土
敷いている土は市販で売っている赤玉土です。こちらもホームセンター等で安価で手に入ります。
この土は通水性が高く、水生生物や水草に良い影響があるとされています。また、多孔質であることからバクテリアが住み着きやすいです。バクテリアはビオトープの水質維持に大きく関わります。
植えているのは近い水系の植物たち
植えている植物は、私が住んでいる地域の近所の水系から採集してきた湿地帯の植物です。
水系とはひとつの大きな川に繋がる全ての川や池のことで、皆さんが住んでいる地域も何かしらの水系に属しています。水系が同じ川や池から採集した生き物なら、例え彼らが流出しても遺伝子攪乱などの問題が起こりにくいのです。
河川は公共物のため、河川法により植物や土石採集は禁止されています。しかし個人が少量を使用するだけの場合は例外となることが多いです。私は念のため行政に連絡し、お墨付きを得た上で採集しました。
ミゾソバ
筆者のビオトープにおける代表的な植物がミゾソバです。秋に花を咲かせ冬に枯れてしまいましたが、受粉して種を作っていました。
春先になって新しい芽が植木鉢から顔を出しましたが、ミゾソバは自家受粉するため、恐らく去年と同じクローンのミゾソバです。
小さくかわいい花を咲かせます。ミツバチやチョウが蜜を吸いにやってきたこともあります。
ミクリの仲間
上記の画像は長らく何の植物かわからなかったのですが、おそらくミクリの仲間です。
ミゾソバと違い、冬も枯れない多年草です。夏ごろに花期を迎えるため、注意深く観察したいです。
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