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青いスズメダイの仲間は気性が荒い? 安易に飼ってはいけない理由とは

海水魚を販売する店で目に付く、全身が青いスズメダイの仲間。水槽を泳ぐブルーの色彩がとても美しいこの魚は、基本的に丈夫であり、かなり安価で購入できるのですが、ある理由から初心者アクアリストにはおすすめできません。

なぜ、初心者には青いスズメダイの購入や飼育をおすすめできないのでしょうか。

(※ここでは海水魚の飼育について扱っています。海水魚は真水<淡水>で飼育することはできません。また海水魚飼育の設備は淡水魚とは異なるものが必要になります。詳しくは専門誌などをご参照ください。)

美しい青いスズメダイの仲間

海水魚専門店、または観賞魚店の海水魚コーナーにいくと色々な魚がいます。その中で青いスズメダイの仲間は別格の美しさを誇示しています。

まぶしいくらいに青い色彩、しかもお値段が安く、元気に泳ぎ回り餌をよく食べる。店員さんに「初心者ですけどこの青い魚は飼えますか」と聞いたら「飼いやすいですよ」という返事が店員さんから返ってくる……。

ならばと購入したくなるものですが、大きな落とし穴があります。

青いスズメダイの飼育を初心者におすすめできない理由

ルリスズメダイは他の魚をいじめる(撮影:椎名まさと)

実はルリスズメダイに代表される青いスズメダイの仲間は性格がきつく、他の魚との飼育が難しい種が多いのです。気性が激しく、他の魚を攻撃してしまうので、初心者ではうまく飼うのは難しいでしょう。

メインの水槽からサブ水槽に入れても、その水槽に上手く手が回らず死なせてしまえば魚にとって不幸です。また海への放流は道徳的な面だけでなく、寄生虫のリスクや病気のリスクもあり、絶対に行うべきではありません

青いスズメダイの仲間は飼いやすい?

観賞魚店で販売されているルリスズメダイ。購入前に気を付けるポイントは?(撮影:椎名まさと)

「青いスズメダイの仲間は丈夫で、飼育だけなら簡単!」と案内されることもあるのですが、最近は「青いスズメダイの仲間=飼いやすい」といえないこともあります。

というのも、青いスズメダイの仲間の多くは沖縄フィリピンから来るのですが、これらの海域(特に後者)からやって来るものは、安い値段であるがゆえ、袋が小さいもので来るなど雑な扱いを受けやすいと言えます。雑な扱いをされると魚がダメージを受けることもあり、最悪、やってきて数日のうちに死んでしまうこともあります。

以上の通り、初心者にはあまり購入を勧めることはできません。もし青いスズメダイの仲間をあえて購入したいと思っている飼育ベテランの人も、購入の際は以下のポイントに注意してください。

  • ひれがぼろぼろになっているのは避ける。ひれが溶けているようになっているのは危ない。ひれが濁っているのもだめ。
  • ひれに白い、細かい点がついているのも避ける。白点病やウーディニウムの可能性がある
  • 体表に傷があるのも避ける。
  • 口や体表がただれているのも避ける。
  • 眼が濁っているのも避ける。
  • 水槽の隅でじっとしているのは避ける(ただし夜間は隅でじっとしていて当たり前)。
  • 餌を追っていないものも避ける。
  • いじめられているものは見えないキズもついているかもしれないので避ける。
  • 入荷して1週間以上経過したものを購入するようにする。

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椎名まさと

魚類の採集も飼育も食することも大好きな30代。関東地方に居住していますが過去様々な場所に居住。特に好きな魚はウツボ科、カエルウオ族、ハゼ科、スズメダイ科、テンジクダイ科、ナマズ類。研究テーマは魚類耳石と底曳網漁業。

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