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川のサカナや生き物のいる風景を写真に撮って残しておきたい イノウエダイスケさんインタビュー

川の中で生きるサカナの写真を中心に、自身のホームページやSNSのXへの投稿などで注目を集めるイノウエダイスケさん。ご自身は特別な専門家というわけではないと言うものの、サカナを見て楽しむその姿は自然体そのもの。日常の中にサカナが溶け込んでいる様子は、これからサカナと共に生きていくことについて、1つのヒントとなるようにも思える。取材時のイノウエさんの言葉にも、シンプルにサカナを楽しむことの愛おしさが感じられた。

イノウエダイスケ:京都府在住。一級建築士。日本の川に棲む魚や生きものが好きで、週末川時間を楽しむ。少しずつ消えていく自然や、そこで暮らす生きものの姿かたちを写真や映像に残す。子どものために京都の淡水魚図鑑を作ろうと奮闘中。https://daisukeinoue.pb.gallery @zarigani1984

川魚を見る日常が始まる

━━━サカナと関わるようになった、もしくは好きになった経緯やきっかけについて教えていただけますか。

イノウエ:サカナが好きなのは、もう子どもの頃からずっとですね。特に淡水魚は大好きです。もともと京都が地元なんですけど、京都市内には海がないので、川に釣りに行くことが多かったんですよね。ガサガサとかもよくしていたし、そこで川魚に興味を持ち始めました。

これまで京都府を流れる大きな河川にはだいたい行っていると思います。京都府は北に由良川水系、南に淀川水系という2つの大きな水系に分かれているんですけど、最近はどちらかというと日本海側の由良川水系や小規模な二級河川に行くことが多いです。2つの水系で河川の様子やサカナの種類とかも、やっぱりちょっと違います。

イノウエさんが足を運んでいるという、由良川水系の風景。

━━━川のサカナを捕って食べたりはしていましたか。

イノウエ:今はあんまりしてませんが、独身の頃はよくやってました。小学生の頃、京都市内を流れる鴨川へ学校が終わるとみんなで自転車に乗ってサカナを捕りに行くんですよ。カワムツっているじゃないですか。あれをみんなで焼いて食べるんですけど、それが焼き方とかもメチャクチャで、全然おいしくなくって(笑)。「川魚っておいしくないやん、やっぱりサバが一番だな」という思い出があります。

その後、アユか何かを食べて印象ががらっと変わっていくんですが。

━━━子どもの頃と今とでサカナの様子に変化はありますか。

イノウエ:みなさん言われてると思うんですけど、昔はサカナがもっといましたよね。昔といってもここ何十年の話です。今は数も種類も減っているように思います。
そもそも僕がサカナの写真を撮るようになったきっかけも、川遊びで楽しんでいた場所や釣りで通っていた大好きな川が、だんだんとなくなっていくのを感じ、写真に撮って残しておきたいな、というところからでした。

ひとたび川の中に潜れば、サカナに限らずさまざまな生きものとの出会いが。

━━━生態系や水産系の学校で学んだ経験はありますか。

イノウエ:一度もありません。全然畑違いなところで、普段は建築設計の仕事をしています。だからサカナや水産について学校で学んだことはありませんし、ただの素人です。

━━━写真はいつ頃から始められたんですか。

イノウエ:本格的に水中写真を撮り始めたのは、たぶん2017年とか18年とかです。そんなに年数は経っていません。(撮影機材としては)オリンパス[現・OMデジタルソリューションズ]のカメラで撮っています。もう古いモデルなんですけど、OM-D E-M1 Mark IIを使っています。いろんなカメラを使い分けるのが苦手なので、水中も陸上も家族写真も全部これです。同じものをいくつか持っていて、カメラごとに「これは水中用、これは陸上用」といった形で使い分けています。

レンズについては、水中撮影のためカメラをハウジング(水中プロテクター)に入れているんですけど、そうすると使えるレンズが何個か決まってくるんです。オリンパスのレンズに限らずなんですけど、そういったものを広角やマクロでいくつか使っていますね。

【イノウエダイスケさん使用レンズ】
〈広角レンズ〉
LEICA DG SUMMILUX 9mm F1.7 ASPH. H-X09
M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0
M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
〈マクロレンズ〉
M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro
M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro

━━━どれぐらいの頻度で撮影に行きますか。

イノウエ:月に3、4回は週末に行ってるかもしれないです。子どもがいるんですけど、子どもと川遊びに行ったついでに撮ったりもします。その日に撮ったサカナを見て、図鑑と照らし合わせて「今日見たのはこれだね」とかやってますね。最近は子どもが川遊びにちょっと飽きてるかなっていう感じもするんですけど(笑)。

━━━川魚全般を写真に収めたり、観察されたりしていると思いますが、特に注目しているサカナなどはありますか。

イノウエ:うーん、あまりいろんなところに行っているわけではないんですよ。水中写真が好きな人って、たぶん県外も含めいろんな海や川に行ってると思うんですけど、僕はそういうところには行かなくて。

どちらかというと自分の住んでる京都府の河川や、それこそ琵琶湖がすぐ近くにあるので、琵琶湖やその周辺の水辺のサカナを撮りたいなっていう気持ちがやっぱりあるんです。強いて言うと、そこにこだわってるというか。あまりいろんなことはできないので、自分の身の周りのサカナを撮って残したいなっていう気持ちでやっています。

━━━お休みの日の趣味として写真を撮って、アップしていくような……。

イノウエ:そうですね。週末はだいたいそんな感じです。子どもと川に遊びに行って、撮影して。SNSはXくらいしかやってないんですけど。あとは自分のホームページ『UNDERWATER』に、ときどき撮影したものをアップしています。このページを始めたのも写真を始めたのと同じ頃です。記憶に残したいというのと、あとで見た時に思い出せるように。

━━━水中写真を撮る時は、どういう装備で行かれるんですか。

イノウエ:水に潜るのでウエットスーツですね。寒くなってきたらドライスーツを使うので、その2つを使い分けてる感じです。あとはシュノーケル。潜りに行くのは川ばっかりなので、いつも素潜りです。自分で潜れる範囲の場所なので、深さで言うと膝下ぐらいからおおよそ3mくらいまででしょうか。

━━━撮影に行った時に、同じようなことをされている方を見かけたことはありますか。

イノウエ:今まで見かけたことはないです。こういうことをやられている方って、みんな単独行動なんですかね。釣りとかだったら、一緒に行こうかっていう感じにもなりますけど、「水中写真、一緒に行こうか」とは、あまりならないでしょうし。海だとまた違うとは思うんですが。

━━━水中の写真を撮ったりサカナを追いかけたりすることの楽しみは、どういうところにあると思いますか。

イノウエ:やっぱり水中って陸から見えないじゃないですか。橋の上からでも、釣りをしている時でも、電車の中から川を見てても。でも、水に潜ると普段見えない川の中やサカナの様子が見られるんです。

それに泳いでいるサカナってやっぱりいいじゃないですか。僕の場合、ガサガサとかも楽しいと思うんですけど、あんまりそっちに行かなかったんですよね。いろいろな楽しみ方がありますけど、たまたま僕は〝見る〟っていうのが好きになったっていう。

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サカナト編集部

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