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薬味なんかじゃない! ワサビが主役の滝つぼ水槽

静岡県沼津市にある「伊豆・三津シーパラダイス」。筆者は今年、実に8年ぶりに訪問することができました。

以前の訪問時にはまだ無かった「イズリバ」という淡水展示コーナーの一角には、水族館の展示では珍しい植物が植えられていました。

それが、ワサビ

滝つぼを再現した水槽(撮影:アル)

滝つぼを再現し、水中部分にはイワナが泳ぐというオープンな半水面展示。その陸地部分に植えられているのは、地元・伊豆の名産品、ワサビです!

ワサビ(撮影:アル)

ワサビの育成には冷たくて綺麗な水が必要で、通常は湧水地のわさび田で栽培されています。

水族館で、しかも光量の限られる屋内水槽で展示されているのは驚きです。地元・伊豆のわさび農家さんの協力で、数年前から展示されているそうです。

ワサビが主役(撮影:アル)

普段なかなか意識したことはないですが、ワサビのライムグリーンが美しいこと!

ワサビを植物としてじっくり観察する機会はあまりないですし、地元の特産品をうまく取り込んだ素晴らしい展示だと感じました。

食卓では魚(刺身)の添え物的な存在のワサビですが、ここではれっきとした主役です!

みとしーラボ(撮影:アル)

同館では他にも、2021年に研究室風の展示コーナー「みとしーラボ」がオープンするなど、8年ぶりに訪れた「三津シー」は大幅にパワーアップしていました。

シイラ(撮影:アル)

屋外のイルカプールの一角では、なんとシイラが何匹も飼育されていて、エサやり体験もできるようになっていました。こちらは、数年前から夏期限定で続いている展示のようです。

エサやり体験(撮影:アル)

水面直下を間近に泳ぐシイラはとても美しく、胸ビレがあんなに青く鮮やかに輝くなんて、今まで知りませんでした。

海獣展示のイメージが強い伊豆・三津シーパラダイスですが、魚好きにも楽しめる展示が多く、久々の再訪問でその魅力を再認識しました。

来年も「密かな推し展示」を追い求めたい!

水族館の人気コンテンツといえば、派手なショープログラムや、大水槽やクラゲ展示のような「映える」水槽展示が王道なのでしょう。その裏であまり目立ちませんが、今回ご紹介したようなちょっと地味だけど工夫に満ちた魚類展示があるのです。

たとえば魚名板にも載っていない生き物を見つけたり、解説板にも載っていない密かな展示の作り込みを発見したりすると、たまらなく嬉しくなります。もしかすると、野外(フィールド)で普段は見過ごしてしまうような生き物を発見した瞬間と、近しい感覚なのかもしれません。

来年も、そんな新たな推し展示に出会えればいいな……と楽しみにしています。

(サカナトライター:アル)

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アル

アル

水族館で、魚を撮ろう!

「水族館はいいぞ」「魚はいいぞ」を伝えたいと思いながら、水族館で魚の写真撮ったり自宅で魚を飼ったりしてる人。将来の夢は水族館のお兄さんでした(今は違います)。

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