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息子が飼育する<アベハゼ>のとりこに 見えてきた「子育てとの共通点」とは?

我が家には今、アベハゼがいます。

息子が追い込み漁でアベハゼを捕まえてきました。本種は水質汚染に強いのが特徴です。

そんなアベハゼを飼育していると、子育てとの共通点が見えてきたのです。

アベハゼとの出会い

アベハゼたちを我が家にお迎えしたのは、2024年10月半ば。

それから現在に至るまで、水槽に水草と濾過ポンプを入れて大事に育てています。餌は、メダカ用のものを与えています。

とはいえ、育てているのは、私ではなく主に息子。私は、仕事で頭が動かなくなってるときに、時々水槽を見る程度です。

アベハゼの様子を見ていると、よく跳ねます。蛙のようにピョンと跳ねて、石から石へ飛ぶのです。

そして、寝るときは立って水槽の壁にお腹を押し付けて寝ています。

アベハゼ(撮影:栗秋美穂)

「吸盤があるの?」と息子に聞いたら、「あってもおかしくないね。ハゼの一種だから」との答え。

「なんでハゼだと吸盤があるの? ハゼって土の中にいて寝るんじゃないの?」と聞くと、「たぶん、ママが言っているのはムツゴロウでしょ?」というのです。

図鑑で調べたら、息子の言うとおり、私が想像していたのはムツゴロウでした。

ハゼは姿勢維持のため両方の腹びれが変形して、吸盤のような働きをするのだそうです。しかもこの体制だと岩や石についた苔を食べやすいのだとか。

アベハゼの飼育に参加することに

アベハゼについて学ぶにつれ、息子に任せていた飼育もちょっと面白くなってきました。

日光浴をさせると、動きが活発になるようです。飼育している魚をじっくり観察すると、文献からだけでは得られることのできない魚のリアルな表情が見えてきます。

息子が用意した「餌やり表」を見て、アベハゼにチェックが入っていないときは餌をあげ、「ママがやっておいてあげたよ」と良い母ぶっています。

アベハゼ(撮影:栗秋美穂)

ところで、アベハゼに餌をあげると、これが意外とクールな反応で集まってきたり飛び跳ねたりはしません。

「ふむ、反抗期かしら」なんて心配をよそに、我が家に来た時はまだ2センチほどだったアベハゼたちも、今では4センチほどに成長しています。

そこで、ふと息子のことを考えます。10歳の我が子はスイーツに釣られて一緒にカフェについてきてくれますが、「いつかアベハゼのように反抗期が……」と寂しい気持ちに。

でも、アベハゼたちは私のいないところで餌をちゃんと食べているようです。

そうか、こうやって我が子も私のいないところではちゃんと成長しているのかもしれない、と思ったのでした。

(サカナトライター:栗秋美穂)

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栗秋美穂

栗秋美穂

多様な学びと生き方を発信するライター

ウミガメの保護活動や、鮭の稚魚を育てて放流する活動をしています。読者の皆様にも、このような経験を通じて、少しでも海の生き物が生きやすい国になればと思います。

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