家から近いということもあり、3歳の息子と一緒にしながわ水族館(東京都品川区)によく訪れています。
「しなすい」として都民に親しまれているこの水族館。
1番の見どころは、なんといっても天井いっぱいに大海原が広がる巨大なトンネル水槽です。
しながわ水族館の推しの魚
このステキなトンネルに来ると、私たちは決まってまず一目散に『彼』の姿を探します。
色はターコイズブルー。周りの魚と比べて身体は大きく、泳ぎはゆったり。
顔はちょっぴりグロテスクで、軍帽に似たその頭の形から、とある歴史上の軍人の名を冠した別名でも親しまれている彼……。
やがて、水槽の奥の方からこちらに向かってゆっくり泳いでくる彼の姿を見つけると、親子2人で毎回大興奮!
「モッチー!」
標準和名、メガネモチノウオ。
魚に全く関心のなかった私が、初めて見つけた大切な推しの魚(ギョ)です。
モッチーとのなれそめ
私とモッチーとの最初の出会いは、息子のために買ってきた図鑑を一緒に読んでいた時でした。
推しておいて失礼ですが、正直なところ第一印象は……。
「なんじゃこりゃ!!」
魚って、基本的にまんまるで、くりっとした可愛い目をしているイメージだったのですが、モッチーの目は異様に小さい。
その虚ろな瞳とずんぐりとした巨体との差が生むアンバランスさに加え、やたらビビットな体色とコンピューターチップの電気回路みたいな模様が刻まれた表皮のインパクト!
最初はその姿を笑いながら息子と2人で眺めていたのですが、1度見たら絶対に忘れないその姿。
他とは似ても似つかない、その個性的な見た目にだんだん心を奪われていくようになりました。
「メガネモチノウオ」という名前も、何度も声に出して言いたくなる絶妙な言葉の響き。
そんなモッチーとの出会いにより、私は一気に「海の生き物」沼に引きずりこまれてしまったのです。
所変われば魚変わる
暇があれば海の生き物の図鑑を開き、鮮魚売り場で食べたことのない魚を買って食べ、息子と一緒に魚を深掘りするテレビ番組を観ては、毎回新しい発見と驚きに遭遇しています。
そしてもちろん週末は推し活へ!
歴史ある水族館にふさわしい風格で泳ぐ「ドンモッチー」もいれば、入場者数日本一を誇る水族館で場慣れしすぎてファンサに余念がない「ドルモッチー」や、大型水槽の片隅で全く泳ぐ気のない「スネモッチー」など……水族館ごとに性格の違うモッチーを見つけていくのが、家族の日課になっています。
モッチーとの出会いがもたらしたもの
モッチーとの出会いは、魚たちのことを調べて、感動し、そしてその命をいただくまでのプロセスの魅力を知るきっかけになりました。
そしてこの魅力は、私たちの未来のためにも、もっといろんな人に知ってほしいと思います。
まずは自分にできる精一杯の発信をしていくこと。
水生生物に夢中になるきっかけを与えてくれたモッチーには感謝の気持ちでいっぱいです。
(サカナトライター:クボデラリョウスケ)