館内最後にあるのは考えさせられる水槽展示
さて、館内を順路通りに進むと、最後に一つの水槽がありました。
水槽名は「沈黙の海」。
青すぎて、水が入っているかどうかも分かりません。

このような水槽があることは事前に知っていたのですが、一通りの展示を見た後にこの水槽をみると、ゾッとしました。
水槽の中は「無」。何もいません。青白く光る水槽は、異様な雰囲気を纏っていました。
水族館に行けば、たくさんの生き物がいる。それが当たり前になっていますが、本物の海、自然環境の海は今どうなっているのか。
水族館で見る景色は、あくまで水族館という人工的に整えた海の景色。同じような綺麗な景色は、果たして今現在も、現実の海で見ることができているのか。
見たり、獲ったり、食べたりと、生き物たちから受ける恩恵を、私たちは彼らにも返せているのか。全く違う世界でも、互いの生活は繋がっているのだと、私たちは理解して生きることができているか。
博物施設として分類される、水族館としての在り方を改めてこの水槽で示されたような気がします。
いおワールドかごしま水族館のテーマは、「生きることに限りなく迫る」だといいます。
ただ綺麗、かわいい、かっこいいで終わらせず、ひとつひとつが生き物の命であることを再確認しつつ、改めて水族館を回ると、また違う気持ちで展示を観察することができました。
丸一日楽しめる水族館!
いおワールドかごしま水族館の充実した展示を前に、筆者は丸1日、時間を使ってしまいました。
本州に住んでいるとなかなか遠い場所ではありますが、ぜひ一度は行ってみてほしいです。
そして、鹿児島に訪れたら、ぜひ仙巌園にも行ってみてください。桜島の素敵な景色と、日本らしい自然風景が詰まった庭に癒されますよ! ぜひ観光も一緒に楽しみましょう。
(サカナトライター:moka)