流れ藻採集で出会える魅力的な魚たち
ここで、筆者が流れ藻採集で実際に出会った魚たちを紹介します。
ハナオコゼ
ハナオコゼはカエルアンコウの仲間で流れ藻にくっつき隠れつつ、小魚を待ち構えています。
流れ藻にそっくりな色や形態をしていることが特徴。大小様々なサイズの個体を見ることができます。
ハナオコゼ(提供:たつ)ヨウジウオの仲間
流れ藻に馴染みがある魚といえばヨウジウオやタツノオトシゴが有名です。
ヨウジウオは細い体型で細い藻や木の枝に擬態しています。タツノオトシゴは流れ藻の端っこに巻き付いています。両種とも大人しくじっとしているので発見するのは至難の業です。
流れ藻を網ですくってみると偶然採集できることが多いです。
ヨウジウオの仲間(提供:たつ)回遊魚
台風のおかげで外洋の魚を漁港で見ることができます。幼魚は流れ藻とともに過ごし、大きく成長。流れ藻が漁港に溜まる時期は、回遊魚達の小さい頃の姿を見れる唯一の機会でしょう。
ブリ、カンパチ、シイラ、トビウオ、アジなどはどの種も成魚は普段から馴染みがありますが、流れ藻で採集できる幼魚を見る機会は貴重なので、非常に得をした気分になります。
トビウオの仲間(提供:たつ)磯魚
成魚になると磯に棲む魚達です。釣りの対象として有名なイシダイやメジナのほか、藻を食べて磯焼けを起こすイスズミなども幼魚の時は流れ藻に隠れて生活してきます。
大きくなる種も多く、幼魚の形態は興味深いものがあります。
イスズミ(提供:たつ)ナンヨウツバメウオ、マツダイ
ナンヨウツバメウオ(提供:たつ)流れ藻採集でよく見られる種類にナンヨウツバメウオとマツダイという魚がいます。流れ藻だけでなく漁港には様々なゴミも溜まっており、両種とも枯葉に擬態しています。
水面に対し、横になり、漂うように存在を消し、体色も枯葉にそっくりなので、魚達がどのようにしてその技術を身につけたのかとても興味深いです。
マツダイ(提供:たつ)フグ目
流れ藻採集でいちばん馴染みあるフグの仲間たちです。
代表種はアミメハギ、アミモンガラ、ソウシハギ、ハリセンボンなどが有名です。形態や色は成魚を思わせる種ばかりなので、なんとなく同定しやすいです。
アミモンガラ(提供:たつ)フグの仲間を初めて見る人の多くは、まず「可愛い」と感じると思います。加えて、それぞれの種で色々な特徴があります。
例えば、アミメハギやアミモンガラを見つけた時は、50匹近くまとまって集まっています。
ソウシハギはウマヅラハギと似ていますが、模様が毒々しいので一発で判別ができます。ソウシハギはパリトキシンという毒を持っているので注意です。
ハリセンボンは浅い岩場、磯などで見つけますがなぜか大きいサイズばかりで、5センチ以下の幼魚に出会うには流れ藻採集がベストだったりします。
ハリセンボンの仲間(提供:たつ)