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ふたたびオオヒシマトウダイが!

2021年11月、我が家にふたたびオオヒシマトウダイがやって来たのでした。しかも今回やってきたものは、前回やって来た個体よりもはるかに大きいサイズで、全長40センチ近くある大型個体でした。

オオヒシマトウダイ成魚(提供:椎名まさと)

このサイズになると、臀鰭棘は短くなり、もちろんその棘についていた皮弁も見られなくなります。

臀鰭棘は短くなり皮弁も見当たらない(提供:椎名まさと)

もうこのくらいの大きさになると、天敵も少なくなり、擬態をする必要というのもなくなるからなのでしょうか。

オオヒシマトウダイを食する

オオヒシマトウダイは薄っぺらい体つきですが、マトウダイ目の魚であり、これまで食してきたマトウダイ科の魚はいずれも美味であったことを考えると、これもきっと美味しいのでしょう。

しかし、マトウダイ目の中にはオオメマトウダイの類のように筋肉に多量のワックスを含み、流通が制限されているものもあるので、注意が必要です。

ワックスとは油脂成分のひとつで、人間には消化できない成分のこと。これが多く含まれていると、お腹を壊してしまう可能性があります。

オオヒシマトウダイの薄造り(提供:椎名まさと)

今回のオオヒシマトウダイは薄造りにして食べましたが、マトウダイと比べると意外にも味があり、美味しくいただけました。もちろん、お腹も問題なし。

そして、マトウダイや同じマトウダイ科のカガミダイを食べるうえで、肝臓を捨てるようではいけません。これらの魚の肝臓はかなり美味であり、「身よりも美味しい」なんていう人もいるようです。

オオヒシマトウダイの肝臓(提供:椎名まさと)

これらの魚と同じマトウダイ目に含まれるオオヒシマトウダイについても、肝臓をゆでて包丁で細かくたたいて、ポン酢で食べてみました。

結果はマトウダイなどの肝臓と似た味で、かなり美味しく食べることができました。

(サカナトライター:椎名まさと)

謝辞と参考文献

今回のオオヒシマトウダイは二階堂由美さん(幼魚)、石田拓治さん(成魚)より入手いたしました。ありがとうございました。

中坊徹次(2013)、日本産魚類検索 全種の同定 第三版、東海大学出版会

橋本芳郎(1977)、魚介類の毒.学会出版センター

上野輝彌・松浦啓一・藤井英一編(1983)、スリナム・ギアナ沖の魚類、海洋水産資源開発センター

Fishes of Australia-Thorny Tinselfish, Grammicolepis brachiusculus Poey 1873

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椎名まさと

魚類の採集も飼育も食することも大好きな30代。関東地方に居住していますが過去様々な場所に居住。特に好きな魚はウツボ科、カエルウオ族、ハゼ科、スズメダイ科、テンジクダイ科、ナマズ類。研究テーマは魚類耳石と底曳網漁業。

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