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RTMP1が酸化鉄形成を誘導

解析の結果、RTMP1は酸化鉄が沈着し始める1つ手前の段階で、最も多く発現していることが判明。さらに、歯を覆う上皮細胞からキチン繊維の歯内部へRTMP1が分泌されることにより、キチン繊維上の酸化鉄が沈着する箇所に結合していることが明らかになったのです。

また、パン酵母を用いて組換え発現させたRTMP1を使った実験では、RTMP1がキチンと鉄に結合する性質を持つことも判明。加えて、キチン繊維に結合させたRTMP1を鉄溶液中に漬けた結果では、キチン繊維上に酸化鉄粒子が形成されることが確認されています。

こららの結果から、ヒザラガイ類における歯の形成では、RTMP1が骨組みを形成するキチン繊維とあらかじめ結合し、後に鉄と結合することでキチン繊維上における酸化鉄形成を誘導することが明らかになったのです。

医療分野での応用も期待

今回の研究によりヒザラガイ類から新規のたんぱく質が発見され、磁鉄鉱の歯を形成するメカニズムが初めて解明されました。

現在の磁鉄鉱合成では高温や有害物資が用いられていますが、RTMP1を利用することで、環境に優しい磁鉄鉱合成が実現するかもしれません。また、RTMP1は鉄が関係した病気の研究への貢献も期待されています。

(サカナト編集部)

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