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赤身魚・白身魚の違いは色ではなく成分構成? 魚の種類によって栄養素は異なる

一口に魚といっても種類によって栄養成分も異なります。

食において魚は赤身魚と白身魚に大きく分けられますが、これらは栄養素が異なることが知られています。この両者の違いと、身近な魚の栄養比較をわかりやすくご紹介します。

赤身魚と白身魚の違いとは?

魚は赤身魚と白身魚の大きく2種類に分類されます。

この違いは、見た目の色ではなく魚の筋肉に含まれる成分の構成が基準となります。例えば、マグロやカツオ、サバなどが赤身魚に分類され、タラやヒラメ、サケなどは白身魚に分類されます。

赤みの代表格マグロ(提供:PhotoAC)

サケやサーモンは見た目が赤色やオレンジ色ですが、白身魚に分類されます。これには理由があり、オキアミなどのアスタキサンチン(色素成分)を多く含むエサを食べるためです。

サーモンの身の色はエサの色素(提供:PhotoAC)

一方、赤身魚は長い距離を泳ぎ続ける回遊魚であり、マラソンの長距離選手のように持久力が必要です。酸素を運ぶ役割を持つミオグロビンの量が多く、赤身魚の赤色はこのミオグロビンに由来します。

また、赤身魚は筋肉質、熱を加えると固くなりやすい性質を持ちます。

よく食べる魚の栄養素を比較してみよう!

食卓に並ぶ機会が多い魚をいくつかピックアップしてみると、それぞれの栄養の特徴が見えてくるでしょう。

白身のように見えて赤身に分類されるサバ(提供:PhotoAC)

例えば、マグロの赤身部分には鉄分ビタミンB12が多く含まれており、血を作る働きをサポートします。さらに、脳の働きを助けるDHAも多く、育ち盛りのお子さんや働き世代の大人にもうれしい栄養素が揃っているのです。

同じく赤身のサバは、脂質が多い反面、血中の中性脂肪を下げる働きが期待できるEPAが含まれています。EPAやDHAを日頃から摂取することで、生活習慣病予防にも効果的です。

白身魚は低脂質(提供:PhotoAC)

一方、白身魚の代表格であるタイは、味わいが上品で高たんぱくかつ低脂質という理想的なバランスを持っています。

タラに至っては、脂質が非常に少ないうえ、皮の部分には美容に嬉しいコラーゲンも含まれているので、女性もうれしい魚ですね。

目的別<魚の選び方ガイド>

毎日の食事で魚を選ぶときは、体調や目的に合わせて種類を意識すると、より効果的な栄養補給ができます。

疲労回復や脳の健康を考えるなら、DHAやEPAが豊富な赤身魚が適しています。特に、集中力や記憶力を高めたいとき、または鉄分不足が気になるときにはマグロやサバなどの赤身魚が心強い存在です。

一方で、胃腸が疲れているときや脂質を控えたい時期には、あっさりとした白身魚が最適です。高たんぱくで消化も良く、アレルギーリスクも比較的少ないため、幼児食や介護食としても活用できます。

魚は、種類によって栄養の得意分野が異なります。どちらが優れているというよりも、目的に応じて使い分けながら、さまざまな魚を食卓に取り入れていくことが、健康的な食生活につながるでしょう。

(サカナトライター:せんば千波)

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せんば千波

せんば千波

見るのも食べるのも魚好き。リアルもゲームも釣りが好き。

ゲームの中でも現実でも釣りが好き。幼少期から熱帯魚や古代魚と暮らしてきました。管理栄養士目線で魚の魅力を発信していきます。熱帯魚ハコフグ推し。

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