2匹目のモンツキガジが見つかるかも?
タウエガジ科の魚としては北海道の釣り人になじみの深いガジやムロランギンポ、磯採集愛好家におなじみのダイナンギンポなどがよく知られていますが、このモンツキガジも細長い体をしています。
トクビレも動物食が強い(提供:椎名まさと)体の腹側面に大きな楕円形の斑紋が一列に並ぶという非常に特徴的な模様をしている魚ですが、残念なことにモンツキガジは現在のところこの1個体しか採集されていません。
トクビレの胃から出てきたタウエガジ科の魚(提供:椎名まさと)北海道の底生性の魚、タラの類だけでなく、カジカの仲間の大型種やトクビレ科のトクビレも肉食性が強く、それらの魚の中から発見される可能性もあるのです。
筆者も北海道産のトクビレの胃の中から属・種までは未同定であるものの、タウエガジ科の一種を発見しています。
2匹目のドジョウならぬ、2匹目のモンツキガジを見つけるのはあなたかもしれません。
(サカナトライター:椎名まさと)
参考文献
尼岡邦夫・仲谷一宏・矢部 衞.2020. 北海道の魚類 全種図鑑.北海道新聞社,札幌.
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