沖縄美ら海水族館は、同館で繁殖に成功した希少なトカゲの展示を開始しました。
今回、特別展示されるトカゲは2種類。1種は与那国島のみに生息する固有種で、もう1種は西太平洋の熱帯に広く分布するものの、日本で宮古島諸島のみに生息する変わった種です。
宮古島と与那国島のトカゲ
新種や貴重な深海生物など、これまでに様々な生物の展示を行ってきた沖縄美ら海水族館。今回は同館で繁殖に成功したトカゲ2種(ミヤコトカゲとヨナグニスベトカゲ)の特別展示が始まりました。
展示場所は水族館の出口付近にある「琉球弧の水辺」となっています。
ミヤコトカゲ
ミヤコトカゲ Emoia atrocostata は西太平洋の熱帯域に広く分布するトカゲで、日本では宮古諸島のみから記録されています。
孵化直後のミヤコトカゲ幼体(提供:一般財団法人 沖縄美ら島財団)また、本種は日本で唯一海岸棲のトカゲとして知られ、海岸の開発により生息地の減少が懸念されているようです。そのため、宮古島市の条例で保護されているほか、環境省のレッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
沖縄美ら海水族館では特別な許可を受け、2023年から繁殖に関する研究を実施。今回、日本で初めてミヤコトカゲの繁殖に成功しました。
ヨナグニスベトカゲ
ヨナグニスベトカゲ Scincella dunan は2022年に新種記載されたばかりのトカゲです。
孵化直後のヨナグニスベトカゲ幼体(提供:一般財団法人 沖縄美ら島財団)本種は世界で与那国島のみに生息する固有種で、種小名の“dunan”は与那国島の別名「渡難(どなん)」に由来。和名には「与那国(よなぐに)」の名が使われています。
孵化した幼体の大きさは全長38ミリほど。詳しい生態はわかっていません。なお、本種の繁殖は今回の事例が世界ではじめてとのことです。
なかなかお目にかかれないトカゲを見るチャンス
今回、特別展示されるのはミヤコトカゲ1個体とヨナグニスベトカゲ3個体。前者は国内では宮古島のみ、後者は世界で与那国島のみに生息する固有種のトカゲです。
この機会にぜひ沖縄美ら海水族館に足を運んでみてはいかがでしょうか。
詳しい情報は沖縄美ら海水族館公式WEBサイトで確認することができます。
※2025年10月24日時点の情報です
(サカナト編集部)