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今回食べたニザダイは全長39センチ超

今回我が家にやってきたニザダイは長崎県で漁獲されたもの。大きさも過去何度か見てきたニザダイの仲間でも特に大きなもので、全長で39.5センチもありました。

今回食したニザダイ(提供:椎名まさと)

写真からはわからないのですが、頭部右側に大きな穴が開いており、そこから血を抜いたものと思われます。

体表のにおいをかいだ際には「ニザダイ独特の」においが感じられましたが、皮をはいで、内臓もとると、そのようなにおいはまったく感じられません。

ニザダイのお刺身を作ってみた(提供:椎名まさと)

身は白身で、皮のつく部位は赤いのですが、驚いたのはその脂の量。そんなニザダイの身をサクにして薄く切って盛り、それをポン酢でいただくと、とても美味しく食べることができました。

刺身も美味しかったのですが、このニザダイを入手したのは12月。本格的な冬の到来でお鍋が恋しい季節でもあります。

「ブリしゃぶ」ならぬ「ニザしゃぶ」はいかが?(提供:椎名まさと)

魚の「しゃぶしゃぶ」といえば、ブリを使った「ブリしゃぶ」が良く知られていますが、ニザダイをしゃぶしゃぶ、その名も“ニザしゃぶ”(筆者命名)にして食べてみましたが、こちらも本当に美味しい。

魚本来のうまみがしっかりあり、家族にも大好評であっという間に無くなってしまいました。

先入観をなくして美味しく食べよう

「ニザダイ」といえば「磯臭い、あまり美味しくない魚」という人もいますが、先述したように、しっかり処置をしたニザダイはきわめて美味しいものでした。

「この魚はまずい、と巷でいわれているから食べない」というような先入観を持たず、ぜひ冬が旬の美味しい魚・ニザダイを食べてみてほしいと思います。

(サカナトライター:椎名まさと)

謝辞と文献

今回のニザダイの入手については、石田拓治さん(長崎魚市場 仲卸)にお世話になりました。ありがとうございました。

榮川省造(1982)新釈 魚名考、青銅企画出版、607pp.

小枝圭太・畑 晴陵・山田守彦・本村浩之編(2020)、大隅市場魚類図鑑.鹿児島大学総合研究博物館、634pp.

中坊徹次編.(2013)、日本産魚類検索 全種の同定 第三版、東海大学出版会

下瀬 環(2021)、沖縄さかな図鑑、沖縄タイムス社、208pp.

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椎名まさと

魚類の採集も飼育も食することも大好きな30代。関東地方に居住していますが過去様々な場所に居住。特に好きな魚はウツボ科、カエルウオ族、ハゼ科、スズメダイ科、テンジクダイ科、ナマズ類。研究テーマは魚類耳石と底曳網漁業。

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