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世界初!<鑑賞メダカ>の大規模ゲノムDNA解析を実施 ルーツは関西・瀬戸内海の野生メダカ?

メダカは日本人にとって馴染み深い魚の1つです。

現在、メダカ飼育は多種多様な色彩や体型を持つ個体が愛好家たちにより発見され、品種が作り出されています。

これらの品種の全ゲノムをDNA解析することで、メダカの変化がどのような遺伝変異によって引き起こされているか理解することが可能です。また、魚の体色や体型の多様性を生み出す仕組みの解明にも繋がると考えられています。

そこで、広島大学大学院統合生命科学研究科の大森義裕教授らから成る研究グループは、世界で初めて鑑賞メダカの大規模なゲノムDNA解析を実施。変異の原因となっている遺伝子領域の特定などに成功しました。

この研究の成果は「Molecular Biology and Evolution(Q1)」に掲載されています(論文タイトル:Genomic consequences of domestication and the diversification of body coloration and morphology in ornamental medaka strains)。

古くから親しまれているメダカ

メダカは日本人にとって馴染み深い魚の1つです。

観賞魚としてメダカの飼育が始まったのは江戸時代のこと。ヒメダカやシロメダカなどの品種が確立され、日本人に親しまれてきました。近年におけるメダカ飼育では、実に多くの品種が作り出されており、その色や形は様々です。

メダカ(提供:PhotoAC)

体色や体型に多くのバリエーションがあり、体色の変異として銀色や黒い個体、体型の変異としてヒレの長さが異なる個体、眼球が突出している個体、体が丸い個体・短い個体が知られています。

メダカ品種のゲノム解析

これらの品種の全ゲノムを解析することで、多種多様なメダカの形質がどのような遺伝子変異によって引き起こされるのかを理解し、魚の色や形の多様性を生むメカニズムを解明することができるといいます。

また、同じ脊椎動物であるヒトの体の形成、病気が発症する仕組みを解明する手がかりが得られる可能性もあるようです。

江戸時代の野生メダカを品種改良?

今回の研究では、86品種181匹ものメダカ個体について、全ゲノム配列の解析が行われました。

解析後、これらのメダカ品種が全国に生息する野生メダカのうち、どの地域の個体と遺伝的に近いのか、これまでのデータと今回とデータを比較。その結果、大阪・広島・高松といった瀬戸内海に面した地域の野生メダカと遺伝的に近いことが判明しています。

この結果から、江戸時代に関西・瀬戸内海で発見された野生メダカを品種改良した系統が全国で観賞魚として飼育され現在に至っているとされました。

34の特長が見出される

このように家畜化されたメダカですが、研究では家畜化に貢献したとされる、いつくかの遺伝子領域が明らかになっています。

メダカ(提供:PhotoAC)

また、メダカの体色や体型の特長を調べた結果では、34種もの特長が見出されました。

この34種の特長のうち29種の特長について、ゲノム情報との関連性がコンピューターにより解析。その結果、26種の特長の対して、原因となる遺伝子が存在する可能性が高い染色体の位置が見つかり、3328個の候補となる遺伝子が見出されたのです。

この情報は今度、脊椎動物の体を作るメカニズムの解明に貢献するとされています。

オロチ品種は特定の部分の欠損

今回の研究の一番の発見は、体が真っ黒のメダカ品種「オロチ品種」の原因となる変異の発見とのこと。

解析の結果では、オロチ品種には「adcy5」という遺伝子に異常があり、それが原因で体色が黒くなることがわかっています。しかし、これまでの研究では「adcy5」遺伝子の欠損は体色が薄くなるといった、真逆の働きが知られているのです。

研究ではこれについても暗しく調べられています。

実は「adcy5」のC1bドメインと呼ばれる部分が欠けると、この遺伝子は働きが逆に増強される報告があり、まさにオロチ品種ではC1bドメインの一部が欠けていたのです。

実施、ゲノム編集によりメダカの「adcy5」からC1bドメインを欠損させたところ、体色が黒くなったといいます。

ヒトの病気にも貢献

今回の研究により、現在飼育されている様々な品種のメダカが、関西・瀬戸内海に由来を持つことが明らかになりました。

さらに、発見された候補遺伝子を絞り込むことで、さらに遺伝子の変異を見出すことができるといいます。

これにより、脊椎動物に共通した体色や体型を決める遺伝子の仕組みを明らかにすることができるとのことです。

また、ヒトにおいては「adcy5」の変異により、自分の意志とは関係なく体の一部が動いてしまう「不随意運動症」を引き起こすことが知られています。本研究の成果は、その発症メカニズムの理解に貢献するものとなりました。

(サカナト編集部)

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