深海に生息する植物のような動物「テヅルモヅル」。
摩訶不思議な見た目をしていますが、運が良ければ水族館でも見ることができるといいます。
一体どのような深海生物なのでしょうか。
テヅルモヅルとは?
テヅルモヅルはクモヒトデ綱ツルクモヒトデ目テヅルモヅル科(学名:Gorgonocephalidae)に分類される棘皮動物の総称です。
ウニやヒトデの仲間で、クモヒトデの遠い親戚にあたります。
テヅルモヅルの仲間(提供:PhotoAC)先端のクルクルは一見、植物のワラビやゼンマイのようにも見えますが、テヅルモヅルはれっきとした動物です。
わらび(左)とぜんまい(右)(提供:PhotoAC)テヅルモヅルはその見た目から、ギリシャ神話に登場する髪の毛が蛇の怪物ゴルゴン三姉妹になぞらえて、「Gorgonocephalus(ゴルゴンの頭)」という属名が付けられたそう。確かに“メデューサの髪”のようにも見えますよね。
また、テヅルモヅルは漢字では「手蔓藻蔓」「手蔓縺」と書きますが、まさに手(腕)のように自在に動く海藻のような生き物です。
テヅルモヅルの生態は不明
テヅルモヅルはクモヒトデの仲間なので5本の腕を持ち、それらがいくつにも分岐。この腕を網状に広げてプランクトンなどを捕食します。
枝分かれした腕は岩礁やサンゴの上を移動し、身体を固定するためにも使われており、生存競争にも有利に働いているのでしょう。一方、テヅルモヅルは網に絡むと除去が大変なので、漁師には嫌われているそう。
また、テヅルモヅルは深海に生息するため、生態などの研究はほとんど進んでいません。ただ、テヅルモヅルは1m越えの大きさの個体もおり、採集が困難であるなど様々な課題があるそうです。
今後の研究に期待したいと思います。
運が良ければ水族館で見られるかも?
テヅルモヅルは飼育や採集の困難さのため、常設展示されている水族館はほとんどありません。
しかし、これまでに新江の島水族館や京都大学附属白浜水族館、鳥羽水族館、海遊館、沖縄美ら海水族館などでは展示されていたことがあります。
つまり、運が良ければ採集された個体を見ることができるのです。ぜひ、機会があればご自分の目でどんな生きものなのか、確認してみてください。
可愛いと思うか、不気味だと思うかはあなた次第。ちなみに筆者は可愛いと思いました。
(サカナトライター:額田善之)