深海魚釣りとクロシビカマス
深海の釣りではクロシビカマスはよく釣れる魚です。
しかし非常に鋭く強い歯を持っているため、取り扱い注意なのはもちろんのこと、鋭い歯によって仕掛けが切られてしまうことがあります。
そのため「なわきり」と呼ばれることもあり、釣り人からはあまり歓迎されません。深海釣りですと、防波堤からの釣りと比べると、仕掛けも高額になる傾向がありますので……。
ですが非常に美味しい魚ですので、仕掛けが切られず釣りあげることができれば嬉しい魚です。
成魚は主に水深300メートル以深の場所に生息していますが、幼魚は比較的浅いところでも見られ、定置網などで漁獲されることがあります。
クロシビカマスを食する
クロシビカマスは食用魚として利用されてきました。神奈川県では「すみやき」、和歌山県では「よろり」などと呼ばれる魚、といえばお馴染みでしょう。
写真はクロシビカマスを使った料理で、左はお刺身、右は塩焼。クロタチカマス科の魚は骨の入り方が独特なので、上手に身をそぐにはそれなりの技術が必要になります。
しかしながらその技術を磨く価値はある程の美味しさです。皆様もぜひ挑戦してみてください。
(サカナトライター:椎名まさと)
参考文献
上野輝彌・松浦啓一・藤井英一編.1983. スリナム・ギアナ沖の魚類.海洋水産資源開発センター,東京.519pp.
日本魚類学会編.1981.日本産魚名大辞典.三省堂.東京.834pp.