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病気の治療薬にもなった<カイメン> スポンジが主人公のアニメのモデルにも

海の底や岩礁など棲むところも形もいろいろな「カイメン」ですが、なんと1万年も生きる種もいるといいます。そして、最近の研究では「不治の病」の治療薬にもなっています。

この記事では、カイメンの生態をご紹介します。

カイメンとは

カイメンとは、海綿動物門に属する動物の総称です。動物のなかで最も原始的な動物群と言われており、感覚器や神経が見られません。水底の石や海藻などに固着しています。

ミズガメカイメン(提供:PhotoAC)

海綿動物門に属するカイメンは、石灰カイメン類(化石に多い)・ガラスカイメン類(ホッスガイ・カイロウドウケツ)・普通カイメン類(イソカイメン・トウナスカイメンなどのカイメンや淡水産のカイメン)に分類されています。

最近の分子系統学な分類では、ほとんどの主が属するのが、「普通カイメン類」、上皮の細胞は細胞質が繋がっているのが「ガラスカイメン類」「石灰カイメン類」「ホモスクレロモルフ類」です。

スポンジのアニメにもなっているカイメン

海綿動物を加工して天然スポンジができます。

スポンジ(提供:PhotoAC)

地中海で取れるものは有名で、地中海産天然スポンジとして売られているそうです(海綿動物とスポンジー宮島水族館)。カイメンは英語で Sponge(スポンジ)といいます。

海の中に住んでいるスポンジのアニメもありましたね。

うみのハープと呼ばれる深海のカイメン

海のハープ」と呼ばれる深海に住むカイメンがいます。楽器のハープにそっくりな姿をした「タテゴトカイメン(和名)」です。学名は Chondrocladia lyra(コンドロクラディア・リラ)といいます。

モントレーベイ水族館研究所(MBARI)のロニー・ランドセン博士率いる研究チームにより、2000年にカリフォルニア沖の水深およそ3300mで初めて発見されました。形状は複数にわかれた根のような部分から、放射状にハープの弦のような枝が生えています。

この枝を使って罠をしかけ、先端についたフックを使って小さな甲殻類を捕食するそうです。テオ・ヤンセンという造形作家の「ストランドビースト」とも似ているようななんとも美しいカイメンです。

テオ・ヤンセン展-静岡県立美術館

1万年生きるカイメン

カイメン生物の中でガラス海綿類の寿命は1万年を軽く超えると言われます。世界中の海で見られ、水深450〜900メートル付近に生息しています。

たいていコップのような形をしており、高さは10〜30センチほど。成長がきわめて遅いことで知られ、これは寿命の長い生き物に共通する特徴です。

カイロウドウケツ(提供:PhotoAC)

正確な年齢の測定は難しいですが、これまでの最高記録として、推定2万3000歳の個体が見つかっています。

どれくらい生きられるかも研究中であり、中には「適切な環境下にあるかぎり不死身ではないか」と主張する専門家もいます。

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