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愛媛県佐田岬半島で<幻のウニ>を狙った漁が解禁 養殖ブランド名は「夏味」?

寿司や海鮮丼に欠かせない高級食材「ウニ」。

日本には約160種のウニ類が生息しており、そのうち食用になるのは6種程と言われています。

佐賀県でプライドフィッシュに選定されているアカウニは「幻のウニ」とも呼ばれてます。

アカウニとは

アカウニはオオバフンウニ科に属するウニ類で、名前の通り赤い体色が特徴です。寿命は10年程と言われており、大きさは8センチ程度、個体によっては2年で漁獲サイズである5センチに成長します。

本種は日本固有種のウニ類でもあり、北海道以南の日本海側、太平洋側では茨城県から鹿児島県に分布。岩礁の亀裂を好み、コンブ科やホンダワラ類が多い場所でよく見られるようです。

稚ウニは水深7~12メートル程に生息し、成体は3~8メートル程に移動します。

幻のウニと呼ばれるワケ

むき身になったウニ類(提供:PhotoAC)

アカウニは日本に広く分布するものの、漁獲量が少なく「幻のウニ」とも呼ばれているとか。

佐賀県の玄界灘ではアカウニのほか、ムラサキウニバフンウニが食用として漁獲され、中でもアカウニは最大の大きさになる他、特有の甘み、上品な味が評価され最高級のウニとして扱われます

豊かな海場を保有する愛媛県佐田岬半島三崎地区ではウニ漁が盛んに行われており、毎年8月にアカウニの素潜り漁が解禁。素潜りは伝統的な漁法で、素潜りを行う男は海士(あまし)と呼ばれるそうです。

アカウニ漁は3カ月に渡り行われ、9月にかけて最盛期を迎えます。旬は漁期同様に夏で、特に殻径が6.8センチ以上のアカウニは最高級品として出荷されるそうです。

アカウニは養殖も行われている

幻のウニとも呼ばれるアカウニですが、水産上重要な種であるため、資源量を増やすための試みが産地で行われています。

2022年6月、山口県大浦漁港で県内初となるアカウニの試験的な養殖が開始、翌年には養殖されたアカウニの試食会が実施。養殖開始から2年となる今年は仙崎地方卸売市場にて仲買人向けに試験販売が始まりました。

大浦漁港で養殖されるアカウニは11カ月程で出荷サイズになることや、天然物と比較して身入りが良く色も良いことが特徴、同産地の天然の海藻を餌として与えることに拘って「夏味(なつみ)」のブランド名が付きました。

幻のウニとも呼ばれるアカウニは養殖技術が研究されており、現在は試験販売も行われる段階となっています。養殖アカウニが我々の食卓に上るひも近いかもしれません。

(サカナト編集部)

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