秋の味覚「カツオ」。
生鮮カツオの水揚げ量で27年連続日本一を記録している気仙沼では今年、“戻り鰹並み”に脂が乗った鰹が大量に水揚げされているといいます。
では、そもそも「戻り鰹」とは一体なんなのでしょうか? また、「初鰹」との違いも解説します。
カツオとは
カツオはサバ科カツオ属に分類される大型の回遊魚です。
本種は日本で鰹節の原料として重宝されており、日本食には欠かせない魚だということは言うまでもないでしょう。また、カツオは世界中の温帯~熱帯域に分布することから日本のみならず各地で食用とされています。
カツオの名前の由来は「堅魚(かたうお)」とも言われており、漢字でもカツオ=堅いというイメージから魚偏に堅(鰹)と書きます。
初ガツオと戻りガツオ
回遊魚であるカツオは春頃に黒潮に乗って日本列島を北上、5月頃に本州中部、夏頃には三陸沖、北海道南部まで北上します。この日本列島を北上するカツオのことを「上り鰹」または「初鰹」と呼び、さっぱりとした味わいが特徴です。
北上したカツオは産卵に備えてエサをたくさん食べ栄養を蓄えます。秋頃には日本列島を南下し南方海域で産卵をします。この南下するカツオを「下り鰹」または「戻り鰹」と呼んでおり、「上り鰹」がさっぱりした味わいなのに対して、脂が乗っていることが特徴です。
脂の乗った戻り鰹はトロカツオとも評され、東北では秋を代表する味覚になっています。
今年のカツオは脂が乗っている?
例年、夏に獲れるカツオはさっぱりとしており、秋のカツオに脂が乗っているイメージですが、今年は早くも6月頃から戻りガツオ並みに脂が乗ったカツオが気仙沼で水揚げされているとのことです。
また、漁獲量も多く、8月1日~8日の水揚げ量は去年の同時期の2.6倍、多い時で1日1,000トン以上獲れる日もあるといいます(「安くておいしい」「奇跡的な脂乗り」夏のカツオが豊洲で注目の的【豊洲発 新鮮!魚の情報】-時事ドットコム)。
気仙沼で水揚げされたカツオは全国へ出荷され、関東でも脂の乗ったカツオがお手頃価格で販売されています。脂の乗ったカツオは刺身ではもちろん、タタキにした食べても絶品なのでぜひ食べてみてはいかがでしょうか。
(サカナト編集部)