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世界最大級の水族館<River Wonders>を歩く 世界中の淡水環境を圧倒的な完成度で再現

「淡水専門水族館」と聞いてどういったイメージを持ちますか?

人によっては、「大きくない水族館」「少し地味な水族館」「大きく派手な水槽がない水族館」といったように感じるかもしれません。

しかし、シンガポールにある水族館「River Wonders」を知れば、きっと「淡水専門水族館=小さくて地味」という偏見が一変するはずです。今回は日本ではあまり知られていない、この「River Wonders」の魅力を皆さんにご紹介いたします。

シンガポールにある淡水水族館「River Wonders」

「River Wonders」はシンガポールにある“Mandai Wildlife Group”が運営する、川をテーマにした淡水専門の水族館です。

世界中の淡水環境とそこに生息する水生生物、陸上生物、文化なども紹介しており、とにかく広いです。水生生物に限らず、淡水環境を取り巻くものは全て展示されています。

「River Wonders」入口(撮影:みのり)

「River Wonders」のある“Mandai Wildlife park”には、他にも「Singapore zoo」「Night Safari」「Bird Paradise」の3つの動物園があります。いずれも非常に広く、とても1日では回りきれません。

日本で見られない動物はもちろん、展示の作り込みも凄まじいクオリティです。動物園・水族館が好きな方にはぜひ一度は訪れてみてほしい場所です。

圧倒的な展示の作り込み

「River Wonders」のインドエリア。水槽の外側の文化的な作り込みも凄まじい(撮影:みのり)

「River Wonders」の凄さはなんといっても展示の作り込みです。

単に動物を見せるだけではなく、展示間の通路や水槽周りの装飾・作り込み、植生、演出、文化なども全てこだわり抜かれています。それを12ヘクタールもある巨大な敷地で展開しています。

余すところなく紹介したいですが、とにかく広すぎて、全てを記事にすると膨大な文量になってしまうため、この記事では筆者が特に凄いと感じた展示に留めてご紹介します。

大きな淡水魚が悠々と泳ぐメコン川水槽

メコン川は中国のチベット高原を源流とし、ミャンマーやベトナムへ流れ込むおよそ4200kmの大河です。本館のメコン川展示は、写真で見るだけでもその大きさが伝わるかと思います。

「River Wonders」のメコン川水槽(撮影:みのり)

飼育されている淡水魚の巨大さもさることながら、太陽光をふんだんに取り入れたその展示の美しさには度肝を抜かれます。

水槽には太陽光が差し込む(撮影:みのり)

また、水槽内の奥行きも感じられ、どこまでも続く水景を堪能できます。飼育されている大きな淡水魚や展示の大きさ・作り込み、水景の奥深さで、大河・メコン川の雄大さに思いを馳せることができます。

コイ目、パーカ-ホ(撮影:みのり)

ジャイアントパンダの森

ジャイアントパンダ(撮影:みのり)

魚ではありませんが……ジャイアントパンダは「River Wonders」の目玉展示のひとつです。日本でも人気なジャイアントパンダですが、シンガポールでも人気があり、常に人が集まっていました。

同園ではつい最近繁殖にも成功し、訪問当時は親子で展示されていました。

ジャイアントパンダ(撮影:みのり)

パンダ舎には他にレッサーパンダも展示されており、ジャイアントパンダとは仕切られているものの、まるで同じ空間にいるかのような演出がされています。

パンダ舎のドーム(撮影:みのり)

パンダ舎は常に気温が低めに維持されており、彼らの暮らす中国の山奥の雰囲気を五感で感じることができます。その中でのびのびと暮らし繁殖も成功したパンダ舎は、展示の風景(ランドスケープ)はもちろん、動物の飼育技術、動物福祉のレベルも非常に高いことがうかがえます。

余談ですが、シンガポールは赤道直下の南国のため、このエリアは涼しくて非常に快適でした。ただ、涼むためだけに長居するのは迷惑なので、ほどほどにしましょう……。

“Amazon River Quest”でジャングルを探検!

「River Wonders」内には、“Amazon River Quest”というアトラクションがあります。簡単に言えば、リアル・ジャングルクルーズです。ボートに乗り込み、様々な(本物の)動物が棲むジャングルを探検するアトラクションです。

アトラクション内部。オオアリクイやジャガーに出会える(撮影:みのり)

本アトラクションの目玉はジャガーです。しかし、非常に一瞬で通り過ぎるため、観察する際は見逃さないよう注意です。

また、アトラクション開始してすぐに驚くべき演出があるのですが……その内容は、是非とも現地で体験してみてください。私は思わず「えええええええ!?」と叫んでしまいました。

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みのり

みのり

センス・オブ・ワンダーを大切に

北里大学海洋生命科学部卒・元水族館飼育員。魚類・クラゲはもちろん、イルカの飼育も担当。非常に多趣味で、生き物観察やフィールドワークはもちろん、映画や読書、ゲームも好き。多趣味ゆえの独自の視点、飼育員視点を交えつつ、水生生物やそれを取り巻く自然環境、文化、水族館の魅力を発信していきます。

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