私は幼い頃から海洋生物が好きで、特にクラゲと頭足類が好きです。
始まりは3歳の頃に家族旅行で訪れた鳥羽水族館にて、ミズクラゲの美しさに釘付けになったこと。そのあと、図鑑やテレビ番組を通してクラゲへの興味が広がりました。
クラゲを観察してみよう
クラゲは身近な存在です。ふらっと漁港に寄るだけでも、様々な種類のクラゲに出会うことができます。
代表的な物であればミズクラゲ・アカクラゲが頭に浮かびますが、漁港で出会えるのは彼らだけではありません。地域によっては現れるクラゲの種類がある程度異なりますが、私がよく岸壁採集で利用している漁港では外洋性・深海性のクラゲがよく現れます。

いちばん多く現れるのは1年を通して見られるカラカサクラゲで、水面に傘のてっぺんを一定のテンポとともにのぞかせて居ることで彼らがいることがわかります。
大きさもバラバラで、夏の時期は比較的小さい個体が多いですが秋冬になると全長8センチの大きさのものが主に現れます。それと同時に大型種であるオオカラカサクラゲも、時々同じような形で出現します。
そしてなにより11月から2月の間がクラゲ採集の絶好のシーズンで、現れるクラゲの種類が一気に増えます。中には、クラゲに混じって深海生物が出現することもしばしばあります。
この季節にいちばん現れるのはヨウラククラゲなどのクダクラゲの仲間とツノクラゲをはじめとしたクシクラゲの仲間たちです。彼らは本来普段はあまり見られないような珍しい類の種類ばかりですが、たまに大発生することがあります。
クラゲたちはプランクトン(浮遊生物)であり、その場所に住み着いている訳でもないので現れないときはとことん居ません。その落差に複雑な気分になります。
クラゲ観察のコツ

水面上からクラゲを見つけることは、最初は至難の業ですが、慣れるとある程度は見つけやすくなります。
晴れている日はかなり見つけやすく、バケツの中に入れるとほぼ透明でどこに居るのか分からなくなるクシクラゲの仲間でも軽々と見つけられます。
しかし、空が曇っていたり波が立つとかなり見つけるのに苦労します。そのときには違和感を探すことが大事になってきます。
かすかに水面に波紋が出ている、深い所に白いモヤがある、なにかよく分からないものが流れているといった物を基準にするとやはりクラゲだったということが多いです。
そんな私ですが、実は水族館でよく見られるようなミズクラゲやアカクラゲなどのメジャーな種類はあまり野生で見たことがありません。
ミズクラゲも、人生で2回ほど1匹か2匹ほど死にかけのものが浮かんでいる程度しかなく、なかなか奇妙な運でもあります。
(サカナトライター:俊甫犬)