富山県では「福を呼ぶ」とされる縁起の良い魚・フクラギ。そんな魚聞いたことがない…と思うかもしれませんが、実は誰でも知っているあの魚の幼魚です。
この記事では、富山県民に愛されている魚・フクラギについて紹介します。
富山県で愛されるフクラギはブリの幼魚
フクラギというと馴染みのない名前ですが、実はこの魚、皆さんが知る「ブリ」のこと。生後8カ月前後、体長30~40センチほどのブリをフクラギと呼びます。
ブリは成長に合わせて名前を変える出世魚として有名で、富山だけでなく関東や関西、九州それぞれで名前の呼び方が変わります。ブリの名前の変化をそれぞれまとめてみましょう。
富山 モジャコ→コヅクラ、ツバイソ→フクラギ→ガンド→ブリ
関東 ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ
関西 モジャコ→ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ
九州 ワカナゴ→ヤズ・→ハマチ→メジロ→ブリ
上記を見ると、フクラギは関東ではイナダ、関西ではツバス、九州ではヤズと呼ばれるものにあたります。この呼び方だとピンと来る人も多いのではないでしょうか。
ちなみにフクラギは漢字で福来来と書きます。たくさん獲れて港が賑わったことで「福が来る魚」と呼ばれたことが由来とされています。
フクラギの旬や食べ方は?
富山県では最もポピュラーな魚のひとつであるフクラギの盛漁期は、ブリのシーズンより一足はやい10~11月。まさに「食欲の秋」にぴったりな魚です。富山県にあるほとんどの漁港で漁獲され、ブリより手ごろな値段でたくさん流通するので富山県民にとても愛されています。
そして、富山県のプライドフィッシュも指定されている県自慢の魚です(フクラギ-富山県)。
ブリよりもさっぱりとして癖がなく、脂のバランスも良いのだとか。刺身はもちろん、焼き魚やみそ汁、ムニエルや煮つけなど、どんな料理にしても美味しく食べられます。
日本海で育まれたフクラギは、関東や関西のそれとはまた違う味わいがあることでしょう。美味しい富山の新米やお酒と合わせていただき、富山の味を楽しんでみたいですね。
(サカナト編集部)