「伊達巻」はおせち料理の定番のひとつです。白身魚とたまごの優しい甘さとふわっとした食感が好きな人も多いのではないでしょうか。
市販品のイメージが強い伊達巻ですが、実は家庭でも意外と簡単に作れます。
この記事では、伊達巻の作り方を解説します。
伊達巻は知性の象徴? おせちにおける意味合い
おせちに伊達巻を入れるのには、いくつかの理由があるとされています。
主な意味合いのひとつは、伊達巻の形が書物に似ていることから、「学業成就」や「知性」を表しているということ。
伊達巻(提供:PhotoAC)また、黄色で鮮やかな見た目や、伊達政宗が好んだ食べ物だったこと、着物の帯に似ていることなど、「派手さ」や「おしゃれさ」を連想させる由来も多くあります。
こうした理由・由来から、「華やかさ」を象徴する料理として、おせちに取り入れられるようになったとされています。
伊達巻はおせちの中でも、1段目の「祝い肴」と呼ばれる箱に入ります。祝い肴にはお正月のお祝いにちなんだ品が多く詰められており、伊達巻の他にも田作り、数の子、黒豆などが含まれます。
材料はとてもシンプル! 伊達巻の材料
伊達巻の特徴は、スポンジケーキのようなふわふわの食感と、独特の甘い味。これらは何から作られているのでしょうか?
実は、伊達巻はたった2つの主な食材と、少量の調味料で作られているのです。
必要な材料は、白身魚のすり身と卵のみ。これらの材料とみりんやしょうゆ、出汁などの調味料をよく合わせ、ふっくらと焼きあげれば出来上がり。複雑な料理かと思いきや、とてもシンプルな料理なのです。
伊達巻の味付けは地域によって異なります。関東は砂糖をたっぷりと使った甘い伊達巻が好まれますが、関西は魚の旨味が引き立つ、甘さ控えめのものが多いです。
また、作り手やメーカーによって食感も異なり、水分が多く柔らかな食感のものと、水分が少なめのケーキのような食感のものがあります。
お正月には毎年多くの伊達巻が販売されるので、食べ比べしてみるのも楽しいですね。
<伊達巻の作り方> 実は家で作れる!はんぺんで工数削減
伊達巻は材料が非常にシンプルなので、家で作ることもできます。今年は手作りの伊達巻にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
魚をすり身にするのは大変……と思った人もいると思います。しかし、ここは白身魚のすり身でできたはんぺんで代用することで、工程が大幅に削減できます。
伊達巻の材料
主な材料として、卵4個ほどと、はんぺん120gほどを用意します。
調味料は、砂糖が30~45g、みりん大さじ1、酒大さじ1/2、しょうゆ小さじ1、塩・少々があればOK。
甘い伊達巻にしたい場合は、生地を味見しながら砂糖の量を調整しましょう。また、砂糖の代わりにはちみつを入れると、よりしっとりジューシーな仕上がりになります。
また、お好みで顆粒だしを入れると、出汁の味が強い伊達巻になります。
もし白身魚を用意できる場合は、はんぺんを半量に減らし、半量の60gほどを使用しましょう。
伊達巻のレシピ
全ての材料をビニール袋に入れ、よく揉んで潰します。ミキサーやフードプロセッサーを使用すると、より滑らかな口当たりに仕上がります。
耐熱バットにオーブンシートを敷き入れ、生地を入れます。180度に予熱したオーブンで25分程度焼き、表面に綺麗な焼き色をつけます。
伊達巻(提供:PhotoAC)軽く濡らしたすだれの上に生地を乗せたら手前から巻き、巻き終わったら輪ゴムなどで止めて冷やせば完成です。
オーブンがない場合はフライパンや卵焼き器などで焼き上げることもできます。全ての材料を混ぜて焼くだけなので失敗しにくく、気軽に挑戦できるおせち料理ですね。
手作りの醍醐味は、自分好みの味付けや食感にできる点。しっかり焼いた上で甘くしてみたり、だし巻き卵のような風味にしてみたり、自分好みの味を探してみてくださいね。
理想の伊達巻をつくりたい
伊達巻が好きで、筆者も毎年手作りしています。
上記のレシピを基準としつつ、理想の伊達巻を作ろうと模索中です。
おせち料理を普段作ったことがないという人も、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
(サカナトライター:秋津)