誰もが一度は口ずさんだことがある童謡「めだかの学校」(作詞:茶木滋、作曲:中田喜直)。その歌詞の一節に「めだかのがっこうはかわのなか〜」というフレーズがあります。
この歌詞から、“(流れのある)川の中で生きている”という認識のもと、「メダカは泳ぐのが上手」というイメージを持ってしまう人もいるかもしれません。
では、実際にメダカは川の中を自由自在に泳いでいるのでしょうか?
実はメダカは水流が苦手
結論から言うと、メダカは強い水流が苦手です。
体長が3~4センチほどと小さく、体も軽いため、水の抵抗を強く受けてしまいます。清流の象徴であるアユなどのように、川の流れに逆らって泳げるような体つきをしていないのです。
メダカ(提供:PhotoAC)力強く、川の流れに逆らって泳ぐアユとメダカを比較してみると、アユは頭が小さく水の抵抗を受けにくくなっている一方、メダカは体に対して頭が大きく平たいので、アユより水の抵抗を受けやすいと言えるでしょう。
アユ(提供:PhotoAC)さらに尾鰭に着目してみると、アユは尾鰭を動かし続けて泳ぐために切れ込みの深い形になっていますが、メダカはほとんど切れ込みがありません。
メダカの尾鰭は瞬発的なスピードを出すことはできますが、継続的な泳ぎには適していないと言えます。
なぜ「めだかのがっこうはかわのなか」だったのか
川でメダカが見られるのは川岸の水草などが多い浅場や、ワンドと呼ばれる川の本流から外れた流れの弱いところです。
実際には川の中より、用水路や田んぼ、ため池などのほうが確認しやすいでしょう。
ワンド(提供:PhotoAC)ではなぜ、「めだかのがっこうはかわのなか〜」という歌詞が生まれたのでしょうか。
昔の川は、現在のように護岸が整備されていなかったため、メダカの生息地となり得る浅場や湿地が数多く存在していたのです。
またそのような流れの少ない場所は、かつては子どもたちの遊び場であり、川が今よりずっと身近なものであったことから、川でメダカの群れがよく見かけられていたのではないか──と考えられます。
「川の中」という表現は、生活に密接だった当時の穏やかな川の風景を表していたのかもしれません。
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