手銛一本で100kgの巨大マグロに挑む——。素潜りのプロスピアフィッシャー・小坂薫平さんが、約10年にわたる挑戦の末に成し遂げた前人未到の記録が評価され、2025年度「植村直己冒険賞」を受賞しました。
この偉業の一部始終を記録したドキュメンタリー映画『Mission100』の制作が始動しており、2027年の劇場公開に向けて、3月末には東京・北青山の「Glocal Point Aoyama」で受賞報告と製作キックオフを兼ねたイベントが開かれます。
Mission100 植村直己冒険賞 受賞報告会 キービジュアル(提供:株式会社Mission100)日本人として初のスピアフィッシング世界記録保持者
小坂薫平さんは、日本人として初のスピアフィッシング世界記録保持者で、これまでに6つの世界記録を打ち立ててきたプロスピアフィッシャーです。
スピアフィッシングとは、素潜りで水中に潜り、銛などで魚を突く漁のこと。小坂さんは、スクーバダイビング機材を一切使わず、自らの肺だけで水深30m近くまで潜り、約8万年前から伝わる伝統漁具「手銛」一本で巨大魚と対峙するスタイルを貫いてきたといいます。
2025年には世界中のフィッシャーマンが“究極のターゲット”と呼ぶ100kg超のイソマグロを手銛一本・一呼吸で仕留めることに成功。「海に対してフェアである」という独自の信念と非合理なまでに純粋な挑戦姿勢が高く評価され、植村直己冒険賞受賞につながりました。
素潜り68m・息止め6分30秒という身体能力を有し「現代に生きる海のマタギ」とも評されるその生き方は、効率や合理性を優先しがちな時代に「なぜ生きるのか」という根源的な問いを突きつけます。
ドキュメンタリー映画『Mission100』とは
受賞の原点となった挑戦の軌跡を描くのが、ドキュメンタリー映画『Mission100』です。
10年以上におよぶ小坂さんの挑戦を軸に、「銛一本・一呼吸で100kgのイソマグロを仕留める」という目標に向かう姿を、5年間にわたり撮影クルーが密着。
スピアフィッシングを題材にした長編劇場映画としては世界初の試みだといい、2027年の公開を目指して制作が進んでいるそうです。
Mission100イメージ(提供:株式会社Mission100)本作の特徴のひとつが、撮影チームもまた70mの潜水能力を持つ熟練のスピアフィッシャーで構成されている点。
全編を通じてスクーバを使わず素潜りのみで撮影することで、魚を警戒させる気泡を出さずに、サメや高波が迫る極限状態の中でチャンスを逃さない映像を追求しているほか、命とどう向き合うのかを現代社会に問いかける哲学的な作品になるといいます。
全国各地で「ダイジェスト映像上映会」も実施へ
今回の受賞と映画制作の本格始動を記念して、3月28日には東京・北青山の「Glocal Point Aoyama」で報告イベントを開催。
当日は、小坂さんによる挑戦の裏話や、受賞に至るまでのプロセス、映画製作の現状と今後の展望が語られるほか、100kgのイソマグロを仕留めた際の映像が世界に先駆けて会場限定で上映されるそうです。
また、全国各地へ赴き、「ダイジェスト映像上映会」も実施。イソマグロを追う「遠征」のドラマをまとめたダイジェスト版の映像を上映します。
イベントやダイジェスト映像上映会について、詳しくはMission100公式サイト内のイベントページで確認できます。
※2026年2月14日時点の情報です
(サカナト編集部)