龍谷大学・生物多様性科学研究センターの伊藤玄博士研究員と同大学院先端理工学研究科の太下蓮氏らの研究グループは、石川県の木場潟から侵略的な外来魚であるパンプキンシードの生息を新たに確認しました。
この研究の成果は「Ichthyological Research」に掲載されています(論文タイトル:Pumpkinseed, Lepomis gibbosus, collected from Lake Kibagata in Japan, with evidence of reproduction in the first-record pond )。
パンプキンシードは北米原産 2024年に報告
パンプキンシード Lepomis gibbosus は、北米を原産とするサンフィッシュ科ブルーギル属の淡水魚です。
同種は本来日本に生息しないですが、2024年に石川県のため池1か所から標本が採集され、翌年に出版された論文「石川県で生息が確認された未判定外来生物 Lepomis gibbosus パンプキンシードサンフィッシュ(新称)」で報告されています。
パンプキンシードは現在日本で輸入が禁止されているものの、過去に観賞魚として流通。石川県のパンプキンシードはこれらの個体に由来すると考えられています。
小松市木場潟で新たな生息を確認 拡散が明らかに
木場潟で採集されたパンプキンシードの成魚(標準体長94.4mm、LBM1210062350)(撮影:太下 蓮)今回、研究グループは石川県小松市木場潟でパンプキンシードの生息を新たに確認。これまで、県内1か所のため池のみから発見されていた本種が、同一水系に存在する木場潟へ拡散していることを明らかにしました。
さらに、既報の生息地であるため池では稚魚と幼魚が確認され、本種が日本国内で自然繁殖していることも示されています。
既報の生息池で採集したパンプキンシードの幼魚(標準体長(SL)11.7 mm、LBM1210062363)(撮影:伊藤 玄)また、ため池と木場潟から得られた成魚・幼魚・稚魚を遺伝子解析した結果では、いずれも同一系統に由来することが判明。過去に観賞魚として流通していた個体が放流された可能性が高いとしています。
在来生態系に深刻な影響の恐れ
木場潟とその流域には絶滅危惧種の淡水魚が生息しているため、魚食性・雑食性のパンプキンシードの侵入は、在来生態系に深刻な影響を及ぼす恐れがあります。
外来種が放流された場合、生態系に大きな影響を与え、捕食や資源の競合によりもともとそこに住んでいた在来の魚たちが数を減らしてしまいます。
外来種を増やさないためにも、飼えなくなった生き物を自然に放さないこと、捕まえた生き物は国内種であっても別の場所に移動出せないことが重要です。
分布拡大の防止が急務
今回の研究により、木場潟で侵略的な外来魚パンプキンシードの新たな生息が確認されました。また、既報の生息地であるため池では自然繁殖も確認されたいます。
これらはもともと観賞魚として流通していた本種が放流し拡散したと考えられています。今後、分布拡大を防ぐための対策が急務です。
(サカナト編集部)