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8つの目がある鰻で<ヤツメウナギ> 「生きた化石」で「食う気になれぬ魚」?

目が8つあるように見えることからヤツメウナギと名付けられた生物をご存知でしょうか?

食う気になれぬ魚」とも呼ばれたこの生物ですが、実は古くからある効能があるとされてきました。

この記事ではヤツメウナギについてご紹介します。

ヤツメウナギとは

ヤツメウナギはヤツメウナギ目ヤツメウナギ科に属する生物です。このグループはヌタウナギと共に円口類に分類され、原始的な形態を残していることから「生きた化石」とも呼ばれています。

ヤツメウナギは漢字で八目鰻と書くものの、実際に目が8つある訳ではなく、目は1対でその後方にある7対の円形状の穴は鰓孔(えらあな)です。これを目に見立てたことから八目鰻と名付けられました。

ちなみにアイヌ語では「ウクリペ(食う気になれぬ魚)」とも呼ばれていたそうです。

ヤツメウナギにも種類がいる

「生きた化石」とも呼ばれるヤツメウナギ。唯一無二の形質を持つ生物ですが、実は世界で43種程のヤツメウナギ科が知られています。

日本では未記載種を除きカワヤツメ、スナヤツメ、スナヤツメ北方種・南方種、ミツバヤツメ(深海からも記録がある寄生性のスナヤツメ科)、シベリヤヤツメの5種が生息し、中でもカワヤツメは比較的よく見られるヤツメウナギ科です。

カワヤツメ(提供:PhotoAC)

スナヤツメは日本をはじめ朝鮮半島やアリューシャン列島、アラスカ湾にも分布し、国内においては千葉県・島根県以南の本州、北海道などの北日本で見られます。

ヤツメウナギ科の中には河川から海へ回遊する種が知られており、カワヤツメは海中生活期では魚へ寄生し体液を吸うことが知られています。

食用としてのヤツメウナギ

アイヌ語では「食う気になれぬ魚」とも言われたヤツメウナギですが、古くから目に良いとされており、夜盲症に効くと信じられてきました。

食においては蒲焼きや鍋物で食べられていましたが、近年はヤツメウナギが減少しており、それに伴い価格も高騰しているようです。しかし、現在でもヤツメウナギ料理が楽しめるお店が少数存在し、東京都ではヤツメウナギの蒲焼きを楽しむことができます。

その他、ヤツメウナギは肝臓にビタミンAを多く含むことから、ヤツメウナギを使用したサプリメントが開発されています。

ヤツメウナギは見た目から敬遠する地域もある一方で、目に効く食材として用いられてきました。この先もヤツメウナギの食文化が継承されていくことを願うばかりです。

(サカナト編集部)

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サカナト編集部

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