底曳網の魚を食べてみよう
ベニテグリの主要漁法は底曳網漁業です。
底曳網漁業は特定の魚介類を狙って漁獲するというよりも、網に入るものを獲るという漁法になります(季節的にイカやイボダイを狙ったり、深さを変えてアカザエビやアオメエソを狙うことはある)。
つまり、単一種の魚介類を獲るのではなく、多くの種を狙って漁獲することになります。
網に入るのは北洋ではメヌケなどのメバル類やタラ類、カレイ類で、宇和海の沖合底曳網漁業ではタイ、タチウオ、マトウダイ、キントキダイ、カワハギ、ヒラメ、タチウオ、エソ、ホタルジャコ、ヤリイカ、コウイカ、ウチワエビなどを中心に水揚げされます。
もちろん、底曳網漁業においては上記の漁獲対象魚介類のほかにも非常に多くの生物が漁獲されます。
しかし残念ながらそれらの魚は大体船上で選別される際にはねられ、投棄されることも多くあり、市場に水揚げされることはまれなのです。
しかしながらこれらの魚を有効に活用するという試みもあります。
例えば静岡県沼津市戸田の青山沙織さんのやっている「深海魚直送便」などの取り組みがよく知られています。
また、近年はTwitter(現「X」)やFacebookといったSNSを漁業従事者の方や、市場関係者の方もやっており、そこから底曳網漁業で獲れた魚を購入できることもあります。これらの取り組みや方法のおかげで、従来よりも底曳網漁業の魚を入手することは難しくなくなってきました。
ぜひあなたも食卓に底曳網で漁獲された魚を並べて、食してみてはいかがでしょうか。
(サカナトライター:椎名まさと)
参考文献
榮川省造. 1982. 新釈 魚名考.青銅企画出版.箕面.607pp.
中坊徹次編. 2013.日本産魚類検索 全種の同定 第三版.東海大学出版会.秦野.
日本魚類学会編.1981.日本産魚名大辞典.三省堂.東京.848pp.
椎名雅人. 2009.四国・九州太平洋沖合の底曳網漁業で採集された魚類.水産増殖科専攻科紀要 第16号.48-54.
鶴田賢二. 2017. 色彩と動きがかわいいテグリの仲間をしっかり飼育する法則.コーラルフリークスVol24.41-47.
山田梅芳・時村宗春・堀川博史・中坊徹次. 2007. 東シナ海・黄海の魚類誌.東海大学出版会,秦野.IXXVi+1262pp., 54pls.
戸田(へだ)漁港直送! 深海魚直送便 https://shinkaigyo.myshopify.com/
株式会社タカミヤ Point時津店 https://www.point-i.jp/blogs/1576102?author_id=50
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有限会社昭和水産 https://www.uwakai.com/