日本人にとっておなじみの魚、メダカ。
その小さな体とかわいらしい姿に、思わずほっこりしてしまう人も多いのではないでしょうか。でも、そんなメダカには意外な奥深さがあるんです。
今回は「メダカ」という名前の由来、美しい品種の数々、さらには医学の現場でも大活躍しているその魅力に迫ります。知れば知るほど面白いメダカの世界、さっそくのぞいてみましょう!
「メダカ」の名前の由来は?
小さな体にパッチリした目がチャームポイントのメダカ。スーッとまっすぐな背中に、ポコっと膨らんだお腹がなんとも愛らしいです。
そんなメダカの名前の由来は、実はとてもシンプル。体全体で見ると、「目」が少し上の方に付いていることから、「目が高い位置にある=メダカ」と呼ばれるようになったと言われています。
語感が良くて親しみやすい「メダカ」という名前。もし目の位置が低かったら、もしかして「メヒクイ」だったかもしれません。
さらに、目が大きいことに着目して「メデカ」という名前の候補もあったのかも……と、いろいろと想像を膨らませてしまいます。
まさに「泳ぐ宝石」 美しすぎるメダカたち
メダカは品種改良が進んでいる魚で、驚くほど美しい「観賞メダカ」が数多く誕生しています。
体の色、模様、ヒレの形まで実に多彩で、水槽の中のアートといえる存在です。
たとえば、背中に光るラインが特徴の「幹之(みゆき)メダカ」は、水面に浮かぶ月明かりを思わせる輝きが魅力です。
ほかにも「楊貴妃メダカ」「女雛メダカ」「夜桜メダカ」など名前からして美しさを感じさせる品種もたくさんありますが、中でも筆者が特に好きなのは「乙姫メダカ」。
「乙姫」の名の通り、竜宮城から飛び出してきたような優美な姿。朱赤を基調とした体色が、尾に向かうにつれてオレンジのグラデーションとなり、見事な美しさを見せます。
また、鱗の縁にほんのりと現れる黒いラインが、体全体の華やかさをさらに際立たせています。水槽で特別な存在感を放つ、神秘的な美しさです。
実は人類の役に立っている? 医学の分野で活躍するメダカ
そんなメダカですが、人間の内臓構造と多くの共通点があるため、医学や病理学の研究で大活躍しているのです。
加えて、全ゲノム情報が明らかになっていることから、遺伝子に関する人間の病気の研究にも大きく役立っています。
環境への適応力も抜群で、低温で水槽の表面が凍る冬でも生き延び、春には元気に復活します。また、40℃を超える夏の日向水(ひなたみず)の中でも生きられる強さもあるため、実験に最適な魚といえます。
見た目は小さくても、その魅力と可能性は無限大!
かわいらしい見た目、美しい色彩、そして人類の役に立つ頼もしさまで、多くの魅力があるメダカ。
その奥深さを知るほどに、私たちをひきつける存在です。
(サカナトライター:minto)