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高級寿司と普通の寿司の大きな違いとは 価格差の理由は<仕込み・下処理>?

寿司には、回転寿司やスーパーで買うパック寿司といった一般的な寿司と、板前さんが一貫ずつ握ってくれる高級寿司があります。同じ寿司でも金額が10倍ほど違うことがあり、何が違うのか気になりますよね。

高級寿司には、職人による見えない工夫と、魚を最大限美味しく提供しようという職人の魚を大切に思う心が詰まっているのです。

【画像】回転寿司の<えんがわ>の正体

高級寿司店はシャリにこだわる

酢飯(提供:PhotoAC)

シャリは酢飯を握って作りますが、高級寿司では伝統的な赤酢と一般的な白酢をネタごとに使い分けるお店もあります。

特に高級寿司店では、赤酢を使った赤シャリを提供しているお店が多いです。店独自の酢を使っているため、店ごとの味の違いを楽しむことができます。

また、シャリの温度を管理することで、少し温かみのあるシャリが口の中でほぐれるため、回転寿司のシャリとは異なる食感を味わえるのです。

飾り包丁や漬け込みのひと手間で素材を引き立てる

高級寿司店の場合、提供する魚の処理にこだわっていることが多いです。

例えば、飾り包丁を入れることで見た目を美しくし、食べる前から高級感あふれる見た目で楽しませてくれる場合があります。

また、仕込みに力を入れており、昆布締め漬け込みなど素材の旨味を引き出すための工夫がされています。

飾り包丁の入った握り(提供:PhotoAC)

回転寿司でも人気のマグロなどは、高級寿司では仕入れてすぐに提供するのではなく、数日寝かせて熟成させることでより旨味を引き出します。

ただし、昨今では同様の処理をしたネタを提供する回転寿司店なども出てきているようです。

回転寿司チェーンによる価格維持の工夫

回転寿司など比較的安価に寿司を提供するお店では、シャリの味を白酢に統一して機械で量産することで回転率を上げ、仕込みも最低限に済ませることでコストを減らしているケースが多いようです。

回転すし(提供:PhotoAC)

また、価格を安定させるため、輸入魚や養殖魚を使用することも多いです。

このように回転寿司では、回転率を上げて価格を一定に安く提供できる工夫をしてくれているからこそ、私たちが気軽に家族でお寿司を食べられるようになっているわけですね。

高級寿司と普通の寿司では楽しめる要素が違う

高級寿司と普通の寿司では、美味しく手軽に楽しむのか、魚の旨みを最大限に楽しむのかで大きな違いがあると言えます。

高級寿司は天然魚を使っているところが多いため、季節や時期によって価格やメニューが変わります。そこで、それぞれの魚種や個体によって最大限に素材の良さを引き出して提供しているのです。

回らないお寿司(提供:PhotoAC)

寿司職人の知識と経験で、こだわり抜いた素材の旨みを引きだす高級寿司。高級であることにはこうした理由があったのですね。

(サカナトライター:nasu阿部)

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nasu阿部

趣味で日本国内の旅行に行くことが好きです。 旅行の先々で水族館に行くことで徐々に海の世界に対して魅力を感じるようになりました。 日本の水族館には、そこにしかにない魅力に溢れていて生き物の魅力を最大限に見せてくれます。 そこで得た魅力を伝えることでこの思いが受け継がれえることで海の生き物が生きやすい環境を守れればと考えております。

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