魚屋などで「アニサキス注意」の文字を見かけたことはありませんか?
魚好きの天敵である寄生虫・アニサキスを心配せずに魚を食べたい!と思った筆者が、SNSで話題になっていたアニサキスライトを購入して使ってみました。
魚好きの天敵「アニサキス」
アニサキスは糸状の体を持つ線虫と呼ばれる寄生虫の一種です。
幼体の頃は非常に小さいためプランクトンの一種に捕食され、その後中間宿主として魚介類に寄生。その後、最終宿主としてクジラに寄生したのちに産卵を経て、クジラの排泄物と共に卵が海に放出されます。

アニサキスは大きさは2~3センチで、幅は0.5~1ミリほどの小さな線虫です。
アニサキスの幼虫が生きたまま胃腸に入ってしまうと、粘膜などにアニサキスが刺さるため猛烈な痛みを引き起こします。直接効果のある薬がないため、治療する場合は胃カメラを使って除去するか、死滅するまでの7日を痛み止めなどの服薬で堪えるしかありません。
アニサキス対策は<加熱>か<冷凍>
アニサキスは主に魚の内臓に潜んでおり、宿主である魚が死ぬと筋肉(身)に移動する習性を持ちます。そのため、刺身などを食べた場合はアニサキスに当たる可能性が高くなると言えます。
アニサキスを予防するためには「60℃以上で1分以上加熱する」「マイナス20℃以下で24時間以上冷凍する」などの方法があります。
また、魚を手に入れたらすぐ内臓を取り出して捌くことで、アニサキスが筋肉に移動するのを防ぎやすいです。
しかし、冷凍をして再解凍すると味が落ちてしまいますし、内臓をすぐに処理できないこともあります。
美味しそうな魚を手に入れたら生食をしてみたい……けどアニサキスが怖い!という人向けに、便利なアイテムが販売されていたので買ってみました。
アニサキスを見つけ出す!<アニサキスライト>
その便利なアイテムとは、ずばりアニサキスライトです。
アニサキスライトとは紫外線を照射することで、内部に潜むアニサキスを白く発光させて見やすくするライトのこと。
内臓や筋肉に食い込んでいるアニサキスは目視でも確認できますが、素人ではなかなか判別が難しく、ライトを照らして発見できるのは非常に嬉しいことなのです。
アニサキスライトを実際に使ってみた
早速アニサキスライトを魚に照らしてみると、結構な光量でした。これは期待できそうです。
ただ、本当にアニサキスを見つけてしまったらどうしようというドキドキも。あまり虫が得意ではないので、見つけてしまったら結構困ってしまいそう……。
そんな不安を抱えつつも、手に入れた魚たちを捌いてみました。まずはマダイから。

うーん、居ないような……。写真に写りやすいように周囲を暗くしましたが、実際は暗くしなくてもよく見える明るさでした。
アニサキスが多いと言われているのは、主にサバやアジ、サケ、カツオ、イカなどと言われています。マダイにはなかなかいないのかもしれません。
柵に切った身が少し分厚かったので切り分けて刺身サイズにしてみましたが、見当たりませんでした。
ギンガメアジにもアニサキスライトを当ててみた
次は未利用魚ボックスで届いた魚で試してみました。まずはギンガメアジです。

他にも生食予定だったイトヒキアジなどに照らしてみましたが、明確なアニサキスのシルエットは確認できず。
よくよく見てみると、細かい糸くずのようなものが付いているものもありましたが、これらは多分キッチンペーパーの屑やホコリ、もしくは別の無害な寄生虫かもしれません。
全く動かずほぼ目視できない小ささだったので、念の為に水洗いしたあと、水分を拭き取って刺身にして食べてみました。その後は特に異変もないので、問題なかったと思われます。

実際にアニサキスを見つけてしまった場合、心配性の筆者は除去した上で加熱してもドキドキしながら一晩を明かすと思うので、見つからないままで正解だったかもしれません。
アニサキスが見つからなかった要因としては、そもそもアニサキスが寄り付きにくい魚だったこと、また、今回の魚は船上で漁師さんたちが内臓処理などをしてくれていたことも大きかったのではないかと思われます。
次回は青物か、家族が釣ってきた魚でチェックしてみようと思います。
正しくリスクを認識して、美味しく魚を食べよう
素人でもアニサキスに当たるリスクを減らせるアニサキスライトですが、全てを見つけるのは簡単ではないので過信は禁物。リスクのある魚は冷凍した上で再解凍するか、加熱した上で食べるのが安全です。
除去・発見できるかは自己責任になってしまいますが、何が何でも鮮魚が食べたい!という方はアニサキスライトを使ってみるのもいいかもしれません。
(サカナトライター:秋津)