みなさんは「アカニシ」という巻貝を知っていますか?
筆者は以前に潮干狩りで出会ったのですが、とにかく大きくて見た目の模様も美しく、しかも美味しい貝でした。
アカニシってどんな貝?
アカニシはサザエのようなサイズ感で、貝殻の入り口部分の鮮やかな赤色が特徴的なな巻貝です。
日本沿岸の内湾や砂泥地に生息しており、アサリと同じ水域に生息しているため、潮干狩りでも時々出会うことができます。

殻の内側には光沢があり、その美しさから「赤螺(あかにし)」と呼ばれ、昔から海の宝として親しまれてきました。
アカニシは肉食性で、小魚や無脊椎動物、アサリなど他の貝を捕らえて生活しています。
江戸時代には東京湾周辺で盛んに捕獲され、食用として重宝されました。新鮮なアカニシは、刺身や焼き物にすると、独特の歯ごたえと旨味が楽しめます。
日本の伝統的な食文化にも深く根付く貴重な食材です。
潮干狩りで子どもが大喜びしたキレイな貝殻
筆者は子どもと一緒に潮干狩りに訪れたとある海岸で、人生で初めてアカニシに出会いました。
海水がひたひたの砂浜にて、手探りで貝を探していた子どもが、突然「すごいの見つけたー!」と叫びました。急いで駆け寄ってみると、その手には大きな巻貝が……!

サザエではないし、そもそもアサリ以外の貝に出会うことも予測していなかった大人たちは見慣れぬ貝にビックリ。子どもたちは、いかにも貝らしい姿と、どこか南国を思わせる色鮮やかな貝殻におおはしゃぎでした。
海の家の人に聞いてみると「アカニシ!美味しいですよ」と、食べられることも教えてくれました。
その日は運が良かったのか、いい大きさのアカニシをいくつか持ち帰ることができたのです。
美味しいアカニシ、子どもウケもバッチリ
アカニシはアサリなど他の貝と一緒に持ち帰って、家で食べてみました。
気になる食味を先に伝えると、見た目だけでなく、味まで良い貝でした。
調理方法は至ってシンプル。殻ごと茹でてから、竹串を使ってくるりと中身を出して頂きます。サザエと同じような食べ方ですね。

サザエはワタの部分が苦いので、我が家の子どもたちはあまり食べないのですが、アカニシはすごい勢いでパクパクと食べていました。
プリプリコリコリした適度な食感と甘み。そして、“貝くささ”のようなものはかなり控えめでした。これは鮮度の関係もあるかも知れませんが、子どもたちが好んで食べたのも納得です。
アカニシはどこで出会える?
海に近い地域では一部家庭でも一般的に食べているところがあるようですが、全国的にはちょっとマニアックな食材。スーパーや直売所でお目にかかれるのも、一部地域に限定されると思います。
アカニシは、干潮時も海水が残るような場所を好んで住処とするようです。そのため、アサリが採れる場所より、やや沖の方で水に浸かりながら探すのが重要。潮干狩りに行くことがあれば、ぜひ参考にしてみてください。
下処理の手間もなく、とても美味しかったので、またぜひ食べたいと感じる貝でした。今年の潮干狩りでも、積極的に探してみたいと思います。
(サカナトライター:halハルカ)