海や山に恵まれた日本には各地に郷土料理が存在します。
農林水産省は数多くある郷土料理の中から「農山漁村の郷土料理百選」を選定し、インターネット上で発信しています(郷土料理百選パンフレット-農林水産省)。
「農山漁村の郷土料理百選」とは
「農山漁村の郷土料理百選」は農林水産省の選定委員が1000以上ある郷土料理の中から厳選した99種類の郷土料理です。百選にもかかわらず99種しか選定されていないのは、最後の100選目は「私の一押しの一品」として自分で選ぶ形式になっているため。

へしこのお茶漬け(提供:PhotoAC)
一口に郷土料理といってもジャンルは様々であり、肉類、野菜、魚介類、またはそれらを組み合わせた日本各地の郷土料理が選ばれています。特にこの記事では魚介類を使った郷土料理をご紹介します。
「農山漁村の郷土料理百選」掲載!魚介類を使った郷土料理
福井県のへしこ
へしこは福井県の郷土料理で、魚を長い期間糠に漬けこみ熟成させることが特徴です。サバで作られるサバのへしこが有名ですが、特定の魚種で作るものではなく、イワシやフグなど様々な魚が使われています。
現在、広く流通しているへしこはノルウェーサバを使ったものが多く、本種特有の脂と熟成により生まれる旨味と味わい深い風味が特徴です。
日本には味噌、しょうゆ、納豆など、たくさんの発酵食品が存在し、私たちの生活には欠かせないものとなっています。これらはいずれも大豆を使用したものですが、実は日本には魚を使った発酵食品も多く存在します。今回は福井県の「へしこ」を紹介します。 「へしこ」とは 「へしこ」は福井県を中心に京都府、石川...
鹿児島県のつけあげ
鹿児島県で作られている魚の練り製品「つけあげ」は、関東ではさつま揚げと呼ばれる郷土料理です。元祖は沖縄料理のチギアギとされている他、かまぼこを模して作り上げた保存の効く料理とも。
原料にはアジやサバ、トビウオが使われますが、エソやニベが使われることもあります。また、つけあげが由来となり和名提唱されたツケアゲエソも有名です。
日本では古くから西日本を中心に魚肉を使った練り物製品が数多く製造されてきました。 今回は鹿児島名物の「つけあげ」に焦点を当ててご紹介します。 「つけあげ」とは 「つけあげ」は魚肉のすり身に砂糖、地酒、豆腐を混ぜたもの小判型や棒状に成形した後に、油で揚げた黄金色の料理です。鹿児島県の郷土料理...
山形県のどんがら汁
山形県鶴岡市は国内でも有数のマダラの産地。どんがら汁は山形県で漁獲される寒ダラを余すところなく使った鶴岡市の郷土料理です。
鶴岡市では「寒鱈まつり」が開催される程の人気料理ですが、その人気は山形県だけに止まらず、東京都でも「鶴岡寒鱈まつり」が開催されています。
冬といえば魚介類が美味しい季節ですね。この季節に旬を迎える魚介類といえば何を思い浮かべますか? 寒ブリ、アンコウ、ドンコ、ホテイウオなど、美味しい冬の味覚がたくさんありますが、今回はマダラをご紹介します。 マダラとは マダラはタラ科に属し、水深1280メートルよりも浅い大陸棚に生息する大型...
徳島県のボウゼの姿寿司
姿寿司といえばサバやアユが有名ですが、徳島県ではボウゼ(イボダイ)を使った姿寿司が有名。ボウゼの姿寿司には柑橘系が使用されており、脂の乗ったボウゼと柑橘類の爽やかさを一緒に楽しむことができます。
東南アジアが起源とされる寿司はやがて日本へ伝わり、各地で独自の進化をしていきました。 現在、日本には握り寿司をはじめとする多種多様な寿司が伝承されていますが、姿寿司は最も豪快な寿司と言っても過言ではありません。この記事では魚を丸ごと使った寿司「姿寿司」をご紹介します。 姿寿司とは 姿寿司と...
東京都(島嶼)のくさや
くさやは伊豆諸島を代表する郷土料理です。温暖な気候と塩の節約が生んだと言っても過言ではない料理で、独特な臭いを持つことから全国的に知られています。原料には脂の少ない魚が適しているとされ、ムロアジ系が主に使われます。
日本には味噌、しょうゆ、納豆など、たくさんの発酵食品が存在し、私たちの生活に欠かせないものとなっています。これらはいずれも大豆を使用したものですが、実は日本に魚を使った発酵食品も多く存在します。今回は伊豆諸島の特産品でもある「くさや」に焦点を当てて紹介します。 魚を発酵させた特産品「くさや」 ...
岡山県のままかり寿司
ままかりという名前は岡山県での呼び名で標準和名はサッパといいます。一説にはサッパリとした味わいからサッパと名付けられたとも。
日本各地に分布する魚ですが、産地として有名なのは岡山県です。岡山県ではサッパを酢漬けにしたままかりの酢漬けや、それを寿司にしたままかり寿司が郷土料理として知られています。
岡山県には「ままかり」と呼ばれる魚が親しまれているのをご存じでしょうか。変わった名前の魚ですが、実は日本各地で見られる魚なのです。 岡山県の名物である「ままかり」についてご紹介します。 「ままかり」が獲れるのは岡山県だけではない? 「ままかり」は岡山県での呼び名であり、正式名称はサ...
愛媛県のじゃこ天
底引き網が盛んな愛媛県では雑魚を使ったじゃこ天という郷土料理が誕生しました。
現在、品質を一定にするために、使われる魚種はある程度決まっているものの、時期によって職人が魚種や分量を変えているそうです。中でも、ハランボ(ホタルジャコ)はじゃこ天の原料に最適とされています。
近年、食品ロスが課題になっており、水産業界でもあまり利用されていない魚を活用しようという働きが活発に行われています。 愛媛県には捨てられてしまうような小魚を、練り物として有効活用した伝統的な郷土料理があります。今回は少し変わった練物製品「じゃこ天」をご紹介します。 1匹では売り物にならない雑...
鹿児島県のキビナゴ
イワシ似た小魚はキビナゴという名前で、鹿児島県の方言であるキビ(帯)とナゴ(小魚)がそのまま標準和名になりました。
鮮度の低下が早いため広く流通せず、産地で唐揚げや刺身で食べられています。特に新鮮なキビナゴを菊の花を象った菊造りという盛り付けは、味だけでなく見ても楽しい郷土料理です。
我々がよく口にするニシン目の魚はカタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシが多いですが、鹿児島県ではキビナゴと呼ばれるニシン目の魚が郷土料理として食べられています。 キビナゴはカタクチイワシに似た小魚 キビナゴはニシン目キビナゴ科に属する10センチ程の小さな魚で、体側の中央に銀色の太い帯があることが...
(サカナト編集部)