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実は日常に溶け込む<深海魚> 近所の魚屋や飲食店で出会える深海魚とは?

図鑑に掲載されている深海魚たちはどれも奇抜な見た目をしており、一見私たちの生活とは関りがないように感じます。しかし、深海魚は古くから私たちの生活と密接な関係を持っています。

近所の魚屋や飲食店でも見ることができる深海魚を紹介します。

深海魚とは

深海魚とは読んで字の如く「深海に生息する魚」のことです。深海は200メートル以深の海を指しますので、言い換えれば「200メートル以深に生息する魚」とも言えます。

また深海は水深によって名称がつけられており、200〜1000メートルを中層(ちゅうそう)、1000〜3000メートルを漸深層(ぜんしんそう)、3000〜6000メートルを深層(しんそう)、6000メートル以深を超深層(ちょうしんそう)と呼びます。

1000メートルとはつまり1キロですが、この水深でも深海では入口にすぎません。私たちの食卓にあがる深海魚たちのほとんどは中層に生息する魚です。

次の項で身近な例を見ていきましょう。

身近な深海魚「キンメダイ」

キンメダイ(提供:PhotoAC)

身近な深海魚で最も有名なのは「キンメダイ」でしょう。誰しもが聞いたことのある高級魚ですが本種も200〜800メートルの岩礁に生息する深海魚です。

名前に「タイ」と付きますが、マダイなどが属するタイ科の魚とは異なるグループの魚であり、タイの仲間ではありません。

主な産地は千葉県、静岡県、神奈川県、または八丈島などの島しょ地域であり、底引き網や延縄漁で漁獲されます。

本種によく似た魚にフウセンキンメ、ナンヨウキンメ、キンメダマシがおり、いずれも深場の岩礁域に生息します。フウセンキンメは市場によってはキンメダイと明瞭に区別されており、時にキンメダイよりも高値が付きます。

反対にナンヨウキンメはキンメダイよりも安価で売られることがしばしばありますが、キンメダイに負けず劣らずの味を持ちます。

キンメダマシはやや南方の種で、背鰭の形態からキンメダイたちとは区別することができます。本種の漁獲は少量であり、市場への流通は稀です。

また、キンメダイは輸入物も多く出回っており、魚市場ではニュージーランド産の冷凍キンメダイがしばしば見られます。

同じく高級魚として知られるキンキも深海魚にあたります。本種の正式名称は「キチジ」ですが「キンキ」のほうが通りが良い為、こちらの名前で呼ばれることが多いです。

主に北方の水深150〜1000メートルの広範囲に生息し、延縄漁、刺し網、底引き網で漁獲されます。味が非常に良く煮付けや刺身で食べることができます。小型個体でもそこそこの値段ですが、特に大型個体や釣り個体は非常に高価です。

本種によく似た魚にアラスカキチジがおり、キチジと比較すると大型になる種です。アラスカキチジの主な産地は日本よりもさらに北ですが、国内でも少量の水揚げがあります。また、アラスカキチジは別名「ラドラ」、「ラドキン」と呼ばれており、キンキとは明瞭に区別されます。

キンメダイ、キチジのように深海魚には体の赤い魚がたくさんいます。沖縄の高級三大魚の1つに数えられるハマダイ(アカマチ)、底引き網で多獲されるユメカサゴ、「ノドグロ」の名で知られるアカムツも深海魚であり、いずれも多種多様な形態をしていますが体色が赤いことが共通の特徴です。

これらの深海魚が持つ赤い体色が深海では保護色になると考えられています。

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