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魚の世界で子育ては珍しい? 実は多様性あふれる魚たちの子育て事情

哺乳類の多くは、母親が子育てをしたり、群れで協力して子育てをしたりすることが知られていますが、魚の世界では、ほとんどの種が子育てをしないといわれています。

しかし、一部の魚では、子の生存率を上げてより多くの子孫を残すために様々な方法で子育てを行います。

見張り型の子育て

子育てをする魚類の中でもっとも多いのが、産み付けられた卵や孵化した子どもを見張るタイプです。

このタイプは、メスが岩陰や海藻などの目立たないところに産卵すると、両親または片親が鰭を使って新鮮な水を卵に送ったり、死んでしまった卵を取り除いたりして、卵が孵化するまで保護します。

また、卵や子どもを狙う敵が近づいたときには果敢に攻撃を行い、敵から守ります。

カクレクマノミ(提供:PhotoAC)

スズメダイ科の1種であるカクレクマノミもこのタイプで、イソギンチャクの中にメスが卵を産み付け、卵が育って孵化するまで、オスが卵を見張ります

また、2015年に新種記載されたアマミホシゾラフグもオスが見張り型の子育てをするといわれています。アマミホシゾラフグは、繁殖期である4~7月頃になると、オスが海底の砂地に直径2メートルほどの産卵床をつくってメスにアピールをします。

アピールに成功してメスが卵を産み付けるとオスだけがその場に残り、卵の保護をします。

体の一部で保護する子育て

カンガルーやコアラなどの有袋類では、メスが育児嚢とよばれる袋状の器官に子どもを入れて子育てすることが有名ですが、魚類にも育児嚢をもつ仲間がいます。タツノオトシゴが属するヨウジウオ科では、メスがオスの育児嚢に産み付けた卵を育てて孵化させ、親と同じ姿になるまで保護します。

また、メスが産卵した卵やその子どもをオスが口内で保護する魚もいます。ネンブツダイやキンセンイシモチ等が属するスズキ目テンジクダイ科の魚や「生きた化石」として知られるアロワナがこのタイプです。

他にも、オーストラリア北部などに生息するナーサリーフィッシュという魚では、オスが額から伸びるフックでメスの産んだ卵をひっかけて保護します。このような方法で卵を守る魚はナーサリーフィッシュだけで、「ナーサリー」は「子育て」を意味し、別名「コモリウオ(子守魚)」とも呼ばれています。

他の魚に子育てを託す

カッコウは他の鳥の巣に、自分の卵を産み付けて子育てさせるといわれていますが、一部の魚でも、親が子育てせずに他の種の魚に子育てをさせるパターンがあります。

ムギツク(提供:PhotoAC)

別の種の産卵巣に自分の卵を産み付け、巣元の親に卵の保護をさせる「托卵」と呼ばれる方法です。コイ目コイ科のムギツクは、川の中流域や用水路などに生息する魚で、同じ河川に、ギギやオニヤラミ、ドンコが生息していると、托卵することが知られています。

また、タナゴの仲間などでは二枚貝の中に卵を産み付けて、孵化するまで卵を保護させます。少しずる賢いようにも感じますが、他の種に卵の保護を任せることで、繁殖の効率化を図っているのかもしれません。

一口に「子育て」といっても、その方法は様々です。厳しい自然界で子孫を繁栄させていくためのそれぞれの工夫が感じられますね。

(サカナト編集部)

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サカナト編集部

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