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水中で最高の1枚を撮るコツとは? サカナの写真撮影は「知ること」が大切

小笠原に住む筆者は、ダイビングやシュノーケリングで初めて見る魚に出会うと、記録のために横からの形と模様を中心に撮影します。そして、家に帰ってからは図鑑とにらめっこ。

また、見たことのある魚も、好きなアングルの“正面顔”を狙って撮っています。

水中撮影で狙ったカットを撮りたいならば、とにかく相手(魚)を知ることが1番の近道です。

魚の正面顔を狙う中で偶然撮れた写真

子どもの頃、図書館で魚の正面顔の写真集を発見。笑っているように見える顔、ちょっととぼけた感じの顔、への字口のいかつい顔などその魅力的な写真の数々が載っていました。

それ以来、海でも水族館でも、魚でもイルカでも、正面顔が撮れると嬉しく、ついつい狙ってカメラを構えていました。

そんな中、昨年の夏に偶然撮れたのがダツの仲間の後ろ姿です。

ダツの後ろ姿(撮影:mami)

このダツ特有のなめらかなグレーとしなやかな流線型の体、そして大きく広げた尾ビレの綺麗なこと……。

すぐに待ち受け画面に設定。自画自賛したくなる1枚が撮れました。

シュノーケリングでの撮影

シュノーケルの時は、スマホにお手頃価格のハウジングをつけて楽しんでいます。

シュノーケリングはダイビングとは違い、マスク・シュノーケル・フィンの身軽さで行きたいところに行けるのがポイント。潮の流れなどに注意をしながらも、右に左にスーイスイ。海から上がると真水をあびるだけなので、片付けも楽。島ならではかもしれませんが、海岸のハシゴもよくある話し。

魚とにらめっこ(撮影:mami)

水中でとどまることは難しいので、生きものと向かい合っての撮影はなかなか難しいこともあります。

それでも、できる限り息をこらえて、息を殺して魚と向かい合います。

魚の暮らしを考える

サンゴをよりどころにしているミツボシクロスズメダイなどは近づくとすぐに隠れちゃうけど、待てば必ず外の世界を確認しに出てくるので、実は正面顔が撮りやすい魚。しかも、安全だと分かると黒白の可愛い幼魚も出てきます。

群れるサカナ(撮影:mami)

キンチャクダイ科の仲間もこの類が多く、縄張りを持っている魚は警戒心が強い。その反面、その場から遠くに逃げずにこちらを覗きに来るので、待てば撮れることが多いです。

丸顔のハタの仲間は、その正面顔がなんとも愛おしい。海底の岩陰に潜んでいることが多く、そーっと近付けば意外と寄れることがあります。

群れる魚はその群れのかたちが背景とあいまって素敵な写真になりやすいです。

魚たちの暮らしぶりが分かれば、写真も撮りやすくなります。「今、何をしているのかなぁ?」と少し思い巡らせる。まずはその魚を観察することが仲良くなれる1番の近道です。

突然の出会いは冷静に

もちろん、そんな悠長に観察してしてから撮影できる場面ばかりでなく、いきなり被写体になる魚が現れることも多いです。

そんな時はいかに冷静になれるかが鍵。ダツの仲間の後ろ姿を撮影したときは、まさしくそんな瞬間でした。

ゆっくりとこちらに向かってくる1匹の魚。カメラを構えつつ、肉眼でも見ていると、どんどんこちらにやってくる。ドキドキしながら見ていると、私の前で身体をひるがえし、この後ろ姿を撮らせてくれました。

実はこの魚、片目が傷つき見えていなかったようで、ギリギリまで私の存在に気づいていなかったようでした。

ダツの群れ(PhotoAC)

この時に慌てて魚に向かっていけば、魚はあっという間に逃げてしまっただろうし、興奮すればしただけ泳ぎ方も雑になり、息も続かなくなる。焦っても、良いことは何もないんです。

ふいに訪れる出会いにワクワクしながら、アドレナリンを抑えつつ冷静を装うのです……が、これが1番難しい!

撮りたい魚の生態を知ってから臨むのも、突然の出会いを冷静に観察して撮影するのも楽しいです。そして、撮影した写真を確認するのはさらに楽しいですよ!

(サカナトライター:mami)

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mami

mami

寒がりなシュノーケラー

小笠原に移り住んで26年。いつも身軽にマスクとフィン、スマホを片手に海中へ。色んな海岸で泳いでいます。イルカ好きから始まり、コガネヤッコの色合いに惚れ、今は魚の飼育員。色んな角度から小笠原の魚の魅力を伝えていければ良いな。

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