大阪府吹田市にある『NIFREL(ニフレル)』は6月2日、館内1階「わざにふれる」ゾーンで、モリアオガエルの卵(卵塊)の展示を開始しました。
1か月の期間限定で、7月6日までの展示が予定されています。
泡のようなモリアオガエルの卵
モリアオガエルは日本の固有種で、本州ほぼ全域の森林に分布。体長は4センチから8センチ程度で、カエルの仲間では珍しく樹上で暮らしています。

梅雨の時期になると池のそばの樹上に泡の塊をつくり、その中に産卵。ニフレルでは、枝についた卵塊を水面上に展示します。
6月に産卵のピークを迎えることから「梅雨の風物詩」とも呼ばれています。泡が梅雨の雨で溶けるとオタマジャクシが池に落下し、水中で成長するといいます。

ふ化したオタマジャクシが泡から水中に滑り落ち、誕生する様子、またそのオタマジャクシがカエルへと成長する過程も展示します。
モリアオガエルは身近な生きもの?
モリアオガエルは複数の地域で絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定。山奥だけでなく隣接する里山にも生息し、農業用のため池や神社の池にも産卵する身近な生きものです。
しかし、山林の開発や産卵に適した池や沼が埋め立てられたことや、モリアオガエルが暮らせる環境が減ったことなどから生息数が減少しています。

展示する卵塊は、兵庫県県川辺郡猪名川町の池にて猪名川町役場と森林ボランティア猪名川町里山倶楽部の協力を得て採集。
猪名川町里山倶楽部は、里山と親しみ理解を深め豊かな森づくりを進めることを目的に活動しており、枯れ木の伐採や遊歩道の整備、植林など山の手入れのほか、モリアオガエルの産卵など森の生きものの情報も発信しています。
「わざにふれる」ゾーンにて1か月展示
展示は6月2日(月)から7月6日(日)の予定です。
生きものの状況により、予告なく展示を変更、または中止する場合があるので、訪問前に確認しましょう。
※2025年6月3日時点の情報です
(サカナト編集部)