皆さん、恋してますか? 鯉ではなく、恋です。
水温が上がり始めた静岡県伊東の海では、生物の求愛が始まっています。
種類にもよりますが、繁殖期の魚たちはいつもと違う行動をとることがあります。
そんな“ソワソワとしたオスの魚あるある3選”をまとめてみました。
繫殖期の魚あるあるはこれだ!
海の中でこんな魚をみつけたら繫殖期かも?
頭に入れてダイビングやシュノーケリングを行うと、普段とは少し違うドラマを見ることができるかもしれません。
その1. 身だしなみを整える
デート前、我々ヒトは身だしなみを整えることが多いかと思います。魚たちも同様に、身なりを整えます。
彼らが向かうのは、クリーニング上手なホンソメワケベラやエビの仲間などがいるクリーニングステーション。他の魚の体についた寄生虫や古い皮膚などを食べる魚たちは、クリーニングフィッシュと呼ばれています。

クリーニングフィッシュはご飯が食べられるし、他の魚たちは体を綺麗にしてもらえてWin-Winの関係なんですね。
普段からクリーニングされていますが、繁殖期に入った魚はクリーニングされる頻度が上がる印象。クリーニングステーションに殺到している魚たちを見て、「もしかしたら繫殖期かもな?」と推測することもあります。
その2. 大事なものを守る
繫殖期の魚はかなり繊細になっており、ちょっとしたことで怒ります。特に縄張りに敏感です。

オス同士が噛み合って喧嘩したり、縄張りから他のオスを排除しようと追いかけたりします。
普段ダイバーが近づくと逃げるはずの魚が、逆に威嚇して近づいてくることもあるのです。
その3. 勝負服でアピールする
繁殖期のオスは、体の色を変えてメスにアピールする魚が多いです。
キラキラと光ったり、模様が増えたり、逆に消えたり──求愛の時に出る模様や色を「婚姻色」と呼びます。

もしかするとこれまでに綺麗だなと思った魚は、オスの勝負服(婚姻色)かもしれません。

海中では子孫を残すためのドラマが見られる
生命を繋ぐ方法は種によって違いますし、多少の個体差もあります。ですが、「子孫を残す」という魚たちの生命力はいずれも素晴らしく、美しい──。
初夏の海に潜る機会があれば、魚たちにどのような行動が見られるか、意識してみてくださいね。
(サカナトライター:まっさん【伊東のインストラクター】)