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クダリボウズギス4個体が口内保育

水戸辺川河口の干潟から採集されたクダリボウズギス13個体ですが、そのうちの4個体は口の中で卵を保護する「口内保育」をしており、性別がオスであることが判明しています。

口内保育は、テンジクダイ科のほかシクリッド科で見られる生態です。

口内保育をするテンジクダイ科のキンセンイシモチ(提供:PhotoAC)

卵塊は球状で約1センチほどの大きさ、約1ミリほどの卵が細い糸でひと塊になっていたようです。これらの発見からクダリボウズギスが干潟の空洞を住処として利用するほか、そこで子育ても行うことが明らかになりました。

テンジクダイ科は約380種が知られていますが、その多くが南方に生息しています。そのため、今回の研究によりクダリボウズギスがこのグループで最も北で繁殖することもわかったのです。

まだまだ謎なクダリボウズギス

今回の研究は希少魚であるクダリボウズギスが干潟の地中で発見されるという非常に驚くべき内容でした。

一方、クダリボウズギスが1日のうちどのくらいを地中で過ごすのか、卵が孵化する瞬間に地中か出てくるのかなどはまだ謎として残っているようです。

巣穴に関しては甲殻類が作ったものを利用している可能性が高いとして、生息環境や他の生物との関係性などの解明が期待されています。

(サカナト編集部)

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