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ヤマトシマドジョウを採集して飼育する

飼育方法はとくに難しいことはありません。

水槽に細かい川砂を敷いて、ヤマトシマドジョウが休息できる環境を整えることと、水槽の水に酸素がよくとけこむようなろ過槽の選択をすること、餌をヤマトシマドジョウにもしっかりいきわたらせることが飼育のポイントとなります。

2024年に採集したヤマトシマドジョウY86(提供:椎名まさと)

同様の飼育のポイントは、ほかのシマドジョウ属魚類にもあてはまります。

ろ過槽は投げ込みろ過槽、上部ろ過槽、あるいは筆者がヤマトシマドジョウを飼育している水槽で使っている、水中ポンプとろ過槽が一体化したものなどが適しています。外掛けろ過槽は隙間ができやすいので、フタに工夫をするとよいでしょう。

水中ポンプとろ過槽が一体になったもの(水槽右奥)(提供:椎名まさと)

餌は栄養のバランスの取れた配合飼料や野菜類の餌などを色々与えるとよいです。とくに底に沈む餌を好み、水槽の表面に長いこと浮かんでいるフレークなどは食べにくいです。

もちろん、ヤマトシマドジョウをはじめとする、すべての淡水魚とかかわるうえでのお約束として、飼いきれなくなったからといって放流することは絶対に避けなければなりません。またシマドジョウ属を含む淡水魚の購入についても、乱獲を助長するおそれもあり、避けたほうがよいでしょう。

そして、実際に採集することでヤマトシマドジョウの生息環境や生息地の現状など、わかることも多々あります。ですからぜひフィールドへ出かけてみましょう。

(サカナトライター:椎名まさと)

参考文献

中島 淳・内山りゅう.2017.日本のドジョウ 形態・生態・文化と図鑑. 山と渓谷社.東京.

中島 淳・洲澤 譲・清水考昭・斎藤憲治.2012.日本産シマドジョウ属魚類の標準和名の提唱.魚類学雑誌,59(1):86~95

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椎名まさと

魚類の採集も飼育も食することも大好きな30代。関東地方に居住していますが過去様々な場所に居住。特に好きな魚はウツボ科、カエルウオ族、ハゼ科、スズメダイ科、テンジクダイ科、ナマズ類。研究テーマは魚類耳石と底曳網漁業。

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