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トークイベントではふたつの視点から「サメ」を紐解く

「お誕ジョーズ2025」のメイン企画であるトークショーでは、水族館写真家の銀鏡つかささんNPO法人小笠原シロワニ保全研究会・理事長/マリンワールド海の中道・館長である中村雅之さんマリンワールド海の中道・展示部魚類課の鈴木鴻之さんが登壇しました。

銀鏡つかささんが語る「水族館でのサメ撮影秘話」

銀鏡つかささんのトークテーマは、「水族館でのサメ撮影秘話」。水族館で写真撮影を始めたきっかけや、写真集『水族館の美しい生きものたち ―Aquarium Gradation―』(KADOKAWA)に掲載されている写真の撮影秘話、これまでに撮影したサメの仲間たちなどについて語りました。

銀鏡つかささん(提供:SAKANA BOOKS)

それぞれの水族館と、さらには水槽ごとの特徴や、撮影にかかった時間・エピソードを詳しくいきいきとお話する銀鏡さん。これまで撮影した写真1枚1枚を大切にされていることが伝わってきます。すべての生きものとの一期一会を切り取った写真とお話から、水族館に行くという行為がより特別なものに思える講演でした。

来場者の皆さんも水族館で写真を撮る人が少なくないようで、銀鏡さんの美しい撮影がどのように成り立っているのか、また、水族館で写真を撮るコツなどを聞き逃すまいと真剣に話を聞いている様子。お話を聞いた皆さんが、今後どのような写真を撮影されるのかも気になりますね。

『水族館の美しい生きものたち』(提供:SAKANA BOOKS)

銀鏡つかささんの新刊『水族館の美しい生きものたち ―Aquarium Gradation―』(KADOKAWA)は、SAKANA BOOKSでも販売中。貴重なサイン本(数量限定)もあるようなので、気になる人はぜひお手に取ってみてください。

小笠原シロワニ保全研究会の調査内容とは? 日本周辺にいる“シロワニの今”を覗く

NPO法人小笠原シロワニ保全研究会・理事長/マリンワールド海の中道・館長の中村雅之さんと、マリンワールド海の中道・展示部魚類課の鈴木鴻之さんには、小笠原群島におけるシロワニの保全活動について、調査の技法や現在わかっていることをお話しいただきました。

NPO法人小笠原シロワニ保全研究会理事長の中村雅之さん(提供:SAKANA BOOKS)

小笠原群島付近に生息するシロワニの個体識別の方法のほか、繁殖期や交尾場所、出産場所、いつどこに移動・生息しているのか──。世界や日本列島におけるシロワニの分布変遷や研究事例、そして小笠原のシロワニを保全するための調査方法に関する話は、とても興味深い内容でした。

シロワニの歯(提供:SAKANA BOOKS)

イベント終了後には、シロワニの生態調査のために使う発信機や海図、シロワニの顎骨を手にしながら、時間の許す限り参加者に解説をするお二人。活動に臨む中村さんや鈴木さんの想い、熱量が伝わってきました。

発信機(提供:SAKANA BOOKS)

なお、同調査は小笠原の海に潜るダイバーたちも協力ができるのだとか。鈴木さんは、「個体識別を進めるため、写真の一般投稿を増やしたい」と呼びかけました。

マリンワールド海の中道・展示部魚類課の鈴木鴻之さん(提供:SAKANA BOOKS)

小笠原の海でシロワニを撮影することができた場合、マリンワールド海の中道の公式ホームページ内、小笠原シロワニ個体識別調査特設ページから撮影した画像・動画を提供することが可能だといいます。

小笠原シロワニ個体識別調査特設ページのスクリーンショット

また、現在個体識別されているシロワニも確認することができるため、シロワニの個体識別に興味がある人はぜひ該当のページを覗いてみてください。

書籍やグッズもサメ尽くし Vtuberになれる体験会も?

トークイベント終了後には、海洋生物の骨マニアである骨密堂さんと、精巧な魚のイラストが支持されているざんくるすさんによる「製作方法大公開!!魚のVtuberモデルを作ったので是非イベント終わりに見ていってくださいSP(スペシャル)」が開催されました。

マグロのバーチャルモデルの実演(提供:SAKANA BOOKS)

「Vtuberとは?」という初歩的なお話から、モデルを実際に動かすための設定、魚の特徴をモデルに落とし込む方法を実演。実際にバーチャルなサメやマグロに変身する体験など、他ではなかなかできない貴重な体験に来場者は驚きながらも楽しんでいました。

イベントに合わせた限定サメグッズも続々

SAKANA BOOKSの店頭には、サメ関連書籍が多数並んだほか、サカナに関するクリエイターが集まる棚貸しサービス「SAKANA APARTMENT(サカナアパートメント)」の住民がイベントに合わせて制作したサメグッズなども販売されました。

また、マリンワールド海の中道の館長でもある中村さんのご厚意により、同施設のオリジナルサメグッズも販売。まるで水族館のお土産コーナーのような、素敵な空間になっていました。

マリンワールド海の中道 オリジナルグッズ。シロワニをモチーフにしたものも沢山。(提供:SAKANA BOOKS)

マリンワールド海の中道のオリジナルグッズは、SAKANA BOOKSで現在も一部を取り扱い中。8月末まで期間限定予定なので、気になる人はお早めに。

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サカナト編集部

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