2025年の夏は、梅雨明けも早く、歴代最高気温を観測するほど暑い日が続きました。
魚を飼育している人であれば、水温管理に苦労した夏でもあったと思います。そして、水温を下げるのに「水槽用冷却ファン」と「エアコン」のどちらを使うか迷った人も多いのではないでしょうか。
そこで、水槽用冷却ファンとエアコンではどちらの方が温度が下がりやすいか、筆者が実際に設置して比較検証しました。
夏場の水槽に必須? 水槽用冷却ファンとは
水槽用冷却ファンとは、気化熱により水槽の温度を下げる装置です。

筆者が飼育しているベタの水槽は、水容量約3.5リットルの小型水槽のため、小さめのファンを使用。小型水槽は大型水槽と比べて水容量が少ないために、外気温に左右されやすく注意が必要です。
小型水槽で魚を飼育する場合は、水温に気を付けましょう。
実際に設置してみた! 準備と使い方
さっそく購入した水槽用冷却ファンのセットを開封してみます。

中には水槽用冷却ファン本体と固定パーツ2個、シリコンシート2枚が付属していました。

フレームレス水槽であれば固定パーツ1個で取り付けが可能ですが、筆者は本体が水につくのが怖かったので、高さが出るようにあえて2個使用。
本体と固定パーツは形を合わせてはめ込むだけでOK。固定パーツに付いている透明なボルトを使えば、水槽への取り付けも簡単でした。
水温はどれくらい下がる? エアコンとの比較検証

まずは、室内のエアコンで水槽の温度がどれくらい下がるか見てみました。

室内の気温は約31℃で、エアコンの温度は27.5℃に設定。筆者の家にある水槽は、部屋の日陰になるところに置いてあるので、何もつけなければ室温よりも少し低い約29℃でした。

1時間ほどで水槽の温度は約1℃下がり、28℃になりました。
次にエアコンを消し、室温が約31℃に戻ったところで水槽用冷却ファンを使用。40分ほどで約27.5℃まで水温が低下しました。これは室温よりも約3.5℃低い温度です。

今回、エアコンよりも水槽用冷却ファンの方が水温が低下するのが早いという結果になりました。ただし、筆者が検証に使ったのが小型水槽だったことも影響している可能性があります。
この比較検証はあくまで一例です。エアコンや水槽用冷却ファンの種類、水槽の大きさ、設置場所によって、温度や温度が下がる時間は異なると思われます。
水槽用冷却ファンを実際に使用してわかったメリットとデメリット
水槽用冷却ファンを使ってみたメリットとしては、エアコンに匹敵するくらい水温を下げられる点です。
小型水槽であれば、エアコンよりも早く水温を下げることができました。また、簡単に設置でき、ボタンひとつでオン・オフができるので手間もかかりません。エアコンと比べて、使い勝手が良いと感じました。
一方、デメリットは水槽内の温度を設定できないこと。検証時には、室温が約31℃だったため、ベタにとっての適温まで下がりましたが、35度を超える日の場合は注意が必要だと感じました。
加えて、蒸発によりかなり水が減るのが気になりました。使用する場合は、水を足しておくと安心です。
「デメリットになるのではないか」と予想していた水槽用冷却ファンによる騒音や振動は、一般的な扇風機と同じくらいで、筆者はさほど気になりませんでした。
水槽用冷却ファンは使える!
水槽用冷却ファンは、エアコン同様しっかり水温を下げてくれる優れもの。メリット・デメリットを把握して使用すれば、夏場の飼育環境を整えてくれる強い味方になります。
来年の夏に向けて準備してみてくださいね。
(サカナトライター:井村詩織)