鹿児島大学の上野大輔教授らの研究チームは、九州最南端の半島である「大隅半島」固有種であるミカゲサワガニに外部共生する新種のヒルミミズ類を記載しました。
ヒルミミズ類の多くはザリガニ類を宿主とすることが知られており、本種のようにカニ類と共生する種は東アジアにおける初の記録だといいます。
この研究成果は「Zoological Science」に掲載されています(論文タイトル:A New Species of Branchiobdellidan Symbiotic on Freshwater Crabs from Southern Japan, with a Supplemental Re-Description of Cirrodrilus kawamurai)。
カニと共生する変わった新種
今回、研究チームが新種記載したヒルミミズは、鹿児島県垂水市にある鹿児島大学農学部附属高隈演習林を流れる河川で複数個体が発見されました。
ヒルミミズ類は環形動物門に属し、系統的にミミズ類(オヨギミミズ類)とヒル類の中間的な生物です。
垂水市(提供:PhotoAC)発見されたヒルミミズの大きさは1.5~3ミリ程。大隅半島の固有種として知られるミカゲサワガニ Geothelphusa exigua に外部寄生する変わった種です。このヒルミミズは大隅半島で発見されたことから Cirrodrilus osumi (和名:カニヤドリミミズ)と命名されました。
本種は日本における Cirrodrilus属の12番目の種とのことです。
さらに、日本のヒルミミズ類は青森県と北海道に生息する種でニホンザリガニを宿主とすることが知られていますが、カニ類と共生する種は知られていませんでした。
そのため、本種はカニ類と共生する東アジアで初の記録となったのです。
保全が必要な稀少種
DNAを用いた解析では、本種が北日本固有種よりも朝鮮半島固有種に近縁であることも明らかになっています。
このことから、本種は日本と朝鮮半島が陸続きの時代に渡ってきた種と考えられています。
カニヤドリミミズは大隅半島固有種と考えられており、今後保全が必要とされています。
(サカナト編集部)